経済・財政
日銀がもっとアグレッシブな「追加緩和」をしなければならない意外な理由
問題の本丸は企業の予想インフレ率だ
GW前の決定会合で「ゼロ回答」を発表した日銀・黒田総裁〔PHOTO〕gettyimages

6月の追加緩和を織り込んだ動き

4月27,28日の日銀の金融政策決定会合では、3月に続き、追加緩和が見送られた。そして、前回のコラムで指摘したように、今回の「ゼロ回答」は、マーケットに失望をもたらし、ゴールデンウィーク中に大幅な円高・株安が進行した。

ドル円レートは、一時、1ドル=105円台まで上昇し、シカゴの日経平均先物も1万6000円を割り込む場面もあった。

だが、マーケットは面白いもので、その後は大崩れすることもなく、ドル円で106円、日経平均で1万6000円という水準で持ちこたえた後、反転上昇を見せている。

1月末の「マイナス金利政策」導入後のマーケットの動きを見ると、2月に大幅に円高・株安になった後、3月、4月と金融政策決定会合が開催される月が始まると、円安・株高がじりじりと進行する展開であった。

そして、3月、4月ともに追加緩和が見送られると、マーケットは失望して再び円高・株安となり、5月に入ると、再び円安・株高に戻すという展開になっている。結局、マーケットの動きは俗にいう「行って来い」に過ぎなかった。

マーケットがこのような動きを見せる理由の一つとしては、次の決定会合では確実に追加緩和が実施されるだろうという見方が早くも台頭しつつあることが指摘される。

次回の金融政策決定会合は6月だが、安倍首相は5月に開催されるサミットの後、消費税率の再引き上げの見送りや大型補正予算の策定を決めるのではないかといわれている。そして、もし、それらが実現すれば、政府の財政政策に追随する形で、日銀が追加緩和を行うだろうという見方である。

実際の追加緩和が実施されるタイミングが次回の6月の金融政策決定会合であったとしても、マーケットはその可能性をサミット後に織り込みに行くと想定されるため、なるべく早いタイミングで円安・株高に備えたポジションを作ろうとしている投資家がいてもおかしくはない。

一方で、今回、追加緩和を見送ったことで、「日銀のリフレーション政策はやはり限界を迎えた」と考えている人もいるかもしれない。ただ、そのような人が多数を占める場合でも、必ずしもマーケットは一方的な円高・株安になるとは限らない。

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