「暗殺教室」はなぜ最高の学び場となるのか? 完全管理社会をタフに生き抜くために

武術と教育の接点を徹底討論
内田樹, 光岡英稔, 甲野善紀
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甲野 原発の問題を例にとれば明らかですが、現状を何とかしようとしているだけでは革命的な処理方法など開発されないでしょう。原発が大事故を起こした今、本当にこれまでにない発想をして革命的な処理技術を開発する若い人を育てなければならないと思います。だからこそ教育のあり方が本当に大事ですよね。

しかし、現在の文科省の官僚には全く期待できないですね。4月入学を9月にするとか、そんなどうでもいいことに頭を使っていますから。現在はそんなことをやっている場合ではないでしょうにね。

日本の教育に未来はない

内田 日本の教育行政に文句を言っても、もうしょうがないと思うんですよ。この25年ぐらい、教育行政は学校教育を破壊し続けています。

過日、大学ランキングに関する取材で「日本中の大学がグローバル化したのですが、今後はどうなりますか?」と聞かれたのです。「滅びるね」というしかありませんでした。

文科省は20年ほど前、人口減を見越して大学を減らそうとしました。教育行政は子供たちの就学機会を増やすための官庁です。したがって学校を増やすことに関してはさまざまなロジックもノウハウもあるけれど、学校を減らすことについてはそのどちらも持っていません。

そこで思いついたのが、規制緩和です。大学を増やせば競争原理が働いて自然淘汰されるだろうと思った。その結果どうなったかというと、ただ増えた。いまや50%近い大学が定員割れです。大学教員は研究や教育よりも志願者集めに奔走しています。

だから日本の大学の論文発行数は2004年から下がる一方です。かつてはアジアで一位でしたが、人口当たりの論文点数は韓国、台湾、中国に抜かれ、かなり低域まで下がり続けています。

教育研究がここまで荒廃しているのに、文科省はこれを全く止める気がありません。はっきり言って、文科省が教育行政を握っている限り、日本の教育に未来はありません。

だから、もうこれはオルタナティブを考えるしかないんです。

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