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震源から80km!「川内原発は安全」というウソ
〜フクイチの教訓が何も生かされていない

【熊本大地震】元原子炉技術者らが警鐘
〔PHOTO〕gettyimages

大地震が襲った直後、即座に「川内原発に異常はありません」と発表されたことに、違和感を覚えた人も多かっただろう。なぜそうまでして動かそうとするのか。どう考えても、一度止めたほうがいい。河合弘之氏(弁護士)と後藤政志氏(元東芝・原子炉技術者)が警鐘を鳴らす。

「大丈夫」と言う政治家たち

後藤 熊本での大地震について、気象庁は「観測史上、例がない」「先を見通せない」と、お手上げ状態です。にもかかわらず、菅義偉官房長官や丸川珠代環境相、そして原子力規制委員会の田中俊一委員長など、政府や原子力関係者は、川内原発を「停止する理由がない」と言って憚りません。

4月19日には、川内原発の80km圏に入る八代市で、震度5強を記録する地震が起こりました。それでも「万が一のために、一応止めて様子を見る」という気さえないらしい。

河合 この期に及んで、まだ原発を動かしたいという人々が考えているのは、まずは何よりも経済的な事情でしょう。

川内原発の1号機・2号機を両方とも止めてしまうと、九州電力は1日あたり3億円の損をするといいます。ただでさえ九電は、昨年8月まで原発を動かせず経営に苦しんでいましたから、それだけは避けたいのです。

政府や経済産業省、規制委は、九電の経営を助けるということに加えて、「ようやく生まれた原発再稼働の流れを、止めるわけにはいかない」ということも考えている。

事実、地震が頻発していた19日に、愛媛県の伊方原発が再稼働に向けた審査をクリアしました。ご存知の通り、伊方原発は、地震が多発している大分県と海をはさんで向かいにある。何としても、再稼働の流れに水を差したくないのでしょうね。