ドイツ
反ユーロ、反難民、そして反イスラム……ドイツで「極右」政党が急激に支持を広げている
もう手遅れ!? 価値観の大転換が始まった
AfD党首フラウケ・ペトリー氏〔PHOTO〕gettyimages

ドイツのためのもう一つの選択

ドイツの新党AfDは、フランスのマリーヌ・ル・ペン氏率いる「国民戦線」の、まさしくドイツ版といった政党だ。"Altanative für Deutschland"の略で、直訳すると、「ドイツのためのもう一つの選択」。2013年2月にベルリンで結成された。

ドイツの前回の総選挙(2013年9月)では、生まれてまもないAfDの得票率は4.7%だった。ドイツには5%条項があるので、議席を取るには及ばなかったが、まだ海のものとも山のものともわからぬ新党としては、他党を警戒させるに十分な得票率だったといえる。

そのAfDが今、思いもかけぬ大発展を遂げている。

AfDの特徴は、反ユーロ、反難民、そして反イスラムだ。その代わりに、ドイツらしさやドイツ文化を尊重しましょう、伝統や家庭を大切にし、あまり中絶をせず、もう少し子供を産みましょう、というようなことを主張している。党大会で国歌を斉唱する、ドイツでは珍しい党だ。

ただ、この党は、誕生以来今まで、他のすべての政党とメディアから、ひどい扱いを受けている。ニュースでは、必ず党名の前に「右派ポピュリストの」という枕詞が付くし、全方向からの攻撃とネガティブキャンペーンにさらされ続けているのである。

しかし、そんな不遇にもめげず、着実に支持者を増やしてきたのが特長といえば特長。

今年3月、そのAfDの人気の高まりが、突然、可視化された。バーデン・ヴュルテンベルク州、ラインランド・プファルツ州、そして、旧東独のザクセン・アンハルト州で州議会選挙が行われ、3州すべてでAfDが躍進したのだ。

ドイツには16の州(うち3つは特別市)があり、それぞれが州政府を持ち、州の首相と大臣がいて、かなりの自治権を行使している。国政(連邦政治)に対する影響力もそれなりに大きい。

このところCDUの党首もすっかり影が薄くなった〔PHOTO〕gettyimages
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