資産運用会社は誰の利益を優先すべきか~三井住友アセットが問われる本気度
【PHOTO】gettyimages

資産運用は誰のためか

年金資金などを運用する資産運用会社は、いったい誰を向いて経営すべきなのか。それが問われる事態に業界大手の三井住友アセットマネジメント(SMAM)が直面している。

同社は2015年8月にいち早く「フィデューシャリー・デューティー(FD)宣言」を出し、アクションプランの進捗状況を半年ごとに公表してきた。FDとは「受託者責任」と訳される概念で、資産運用を受託した者が、もともとの資産保有者、つまり資産運用を委託した者に対して負う責任を言う。

簡単に言えば、資産を預けた人の利益を最大化することが資産運用会社の責任で、その利益に反するような行動を取ってはいけない、ということである。

欧米では歴史的に定着した概念だが、日本で注目されるようになったのは最近のこと。2014年夏に金融庁が出した「平成26事務年度金融モニタリング基本方針」の中で新たに導入された。そこには、こう書かれていた。

「家計や年金、機関投資家が運用する多額の資産が、それぞれの資金の性格や資産保有者のニーズに即して適切に運用されることが重要である。このため、商品開発、販売、運用、資産管理それぞれに携わる金融機関がその役割・責任(フィデューシャリー・デューティー)を実際に果たすことが求められる」

そのうえで、FDを「他者の信認を得て、一定の任務を遂行すべき者が負っている幅広い様々な役割・責任の総称」としていた。日本の資産運用会社も、真剣にFDを考える必要に迫られたのである。

そんな中で、中堅ではHCアセットマネジメント(森本紀行社長)などがFDに先進的に取り組んでいるが、大手ではSMAMが業界をリードしていた。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら