丸山ゴンザレス、メキシコ麻薬地帯に突撃! 激変するドラッグビジネスの最前線でいま何が?
『クレイジージャーニー』裏日記⑥

先週公開した前編(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48531)では、麻薬ディーラーと生産者にインタビューし、彼らがマリファナ合法化についてどう考えているのかを明らかにした。だが、それだけでは麻薬ビジネスの世界を知るには不十分だろう。

アメリカの隣国には世界有数の麻薬生産地であるメキシコがあるが、メキシコを見ずしてすべてを理解したつもりになるのは愚かである。私は、アングラビジネスの最先端を見るために、メキシコへと飛んだ。

麻薬カルテルに対抗する自警組織

麻薬戦争の死者は12万人

メキシコで生産される麻薬類の9割を消費しているのが、隣国アメリカである。

「アメリカ人の大学生がハイになるために俺たちは作ってるんだ」

メキシコのドラッグ・ビジネスに関わる人々はそんなふうに笑い飛ばしている。 彼らの多くは、麻薬カルテル(麻薬の生産、流通、販売網を持つ犯罪組織の連合体)に所属している。

1990年代にコロンビアのメデジン・カルテルが弱体化したことで、メキシコ麻薬カルテルは飛躍的に勢力を伸ばしてきた。その結果、国を相手に戦争できるほどの武力を備えた軍隊式の武装集団(パラミリタリー)が組織されており、暴力の矛先は警察や政治家はもちろんのこと、ジャーナリスト、一般市民にまで向かっている。

むごたらしい状態で死体が放置される「見せしめ処刑」のニュースは、たびたび世界中に配信され衝撃を与えている。

最近大きなニュースとなったシナロア・カルテルのリーダー、エル・チャポことホアキン・グスマンが、収監されていた刑務所からトンネルを掘って脱出したという事件は、「カルテルのリーダー、どんだけ力あるんだよ!」と世界中から突っ込まれる結果になった。

麻薬カルテルが強大な力を握ったおかげで、メキシコの現状は「麻薬戦争」とも言われるほど混乱しており、犠牲者はこれまでの累計で12万人と推定されている。

地獄のように思えるいまのメキシコで、アメリカのマリファナ合法化はどのように受け止められているのだろうか。私はそれが知りたくて、メキシコまで飛んだ。