環境・エネルギー ドイツ
先進国のドイツでしょっちゅう「停電」が起こるワケ
発送電を分離するとこんなことになる
〔PHOTO〕iStock

「電気がないと、私たちの生活は全滅よ」

4月14日の夜のことだった。8時半ごろ、自宅で仕事をしていたら、突然、電気が消えた。暗闇の中、目の前のパソコンのモニターだけが、ぼーっと光を放っている。停電だ・・・。

慌てて窓から覗くと、隣近所も灯りが消えている。うちだけ停電しているわけではないらしい。空はまだかろうじて薄明るいが、あと15分もすれば真っ暗になるはずだ。

それにしても、なぜ停電になったのか。情報が欲しいが、インターネットが使えない。固定電話も、スマホのインターネットも、モデムがダウンしているので全滅。

さて、どうする? そろそろご飯にしようと思っていたのに、すべて電化なので料理もできない。パンとご飯は冷凍してあるが、電子レンジが使えないので役に立たず。あ、湯沸しポットもダメ。電気がないとお茶さえ飲めないということに気づく。

仕方ないので、ワインを開ける。おつまみにチーズでもと思って冷蔵庫を開けると、当たり前ながら、そこは真っ暗闇の箱。手探りで取り出したチーズとワイングラスを持ってパソコンの前に座る。しかし、ニュースも見られないし、音楽も聞けないし、なんとなく手持ち無沙汰。今さら、原稿を書く気にもならない。

そのうち、救急車がたくさん走り出した。いったい何が起こったのだろう。ひょっとしたらテロ? こんなところでぼんやりワインを飲んでいて良いものか? いつでも避難できるように着替えるべきではないか? 持ち物は、パスポートと水? 

そうだ、スマホの電話機能だけは生きているので、誰かに電話して聞いてみよう。

郊外に住むドイツ人の友達に電話した。

「ねえ、停電してるのよ。テロが起こったとかいうニュース、出てない?」

「別に、出ていないわねえ」

「真っ暗闇で、何もできないのよ」

「うちも、最近、工事のために3時間電気が止まったけど、確かに、何もできなかったわ。仕方ないから、買い物にでも行こうと思ったら、なんと、それもできなかったのよ。ガレージのドアが電動だったのを忘れてた。電気がないと、私たちの生活は全滅よ」

「そうね。10階とか20階に住んでいなくて良かったわ」

というわけで、結局、情報収集には何の役にも立たない雑談で会話は終わった。

30分ほどすると、電気はパッと点いた。そのあと、インターネットがつながらず少しイライラしたが、モデムを再起動したら直ったのでホッとしたところ、また停電・・・ということが2度ほど繰り返された。それでも1時間後には無事回復。正直言って嬉しかった。

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