企業・経営
三菱自動車に朝日新聞…不祥事を起こした企業が設置する「第三者委員会」への違和感
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弁護士=正義、学者=専門家は思考停止の発想

燃費試験の不正行為で揺れる三菱自動車は27日、相川哲郎社長が記者会見して2016年3月期決算を発表した。決算発表の冒頭、相川社長は、客観的かつ徹底的に(原因の)調査を行うために第三者委員会を設置したことを明らかにした。

しかし、筆者は敢えて言いたい。三菱自動車の関係者を全く入れない第三者委員会を構成することで、一見、客観性は担保できるかもしれない。ただし、世間受けは良くても本当の原因を突き詰めることができるのだろうかとの疑問がある。検事・弁護士=正義、学者=専門家という安易なイメージから法曹界の人や大学の研究者を使う発想自体が思考停止していると思う。

三菱自動車では2000年と04年にリコール隠しが発覚、会社存亡の危機に陥り、三菱グループ御三家(三菱商事、三菱東京UFJ銀行、三菱重工業)が中心となって財務的な支援などを行うことでどうにか生き延びてきた。その過程では元社長が逮捕されるなど衝撃が走った。だから、世間的には「三菱自動車は反省しただろう」と思われていた。その矢先に、再び今回の不祥事が起こった以上、同社の体質に何らかの問題があったと言わざるを得ない。

一方で、三菱自動車の中には、まだ志の高い人材は残っているはずだ。こうした人材は、自分の会社を今度こそは本当に再生させたいと思っているに違いないと筆者は信じたい。そういう人材はどんな人材かというと、仕事はできるが上司にたてついたことで社内評価が低いとか、日の当たらない仕事を入社以来30年こつこつやっているとかいうイメージだ。

あるいは役員や社長に反抗するなんて朝飯前の人かもしれない。健全な精神をもった「異端児」は三菱自動車にもいるはずで、社内をよく知るこうした人材に今回の不正の原因を調査させ、その調査プロセスや調査結果が妥当かを第三者員会に検証してもらうのが理想ではないか。