クックパッド 内紛の末に残された「ある疑問」
【PHOTO】iStock

大モメの内幕

ベンチャー企業のなかでも「ユーザー投稿型レシピサイト」を運営、有料会員180万人を抱えるクックパッド(東証一部)は「超」の付く優良企業である。

売上高147億円(15年12月期)で営業利益は65億円(同)。右肩上がりで成長しつつ、高い営業利益率をキープしてきた立役者が、穐田誉輝(あきたよしてる)前社長(46)であるのは衆目の一致するところだ。

ところが、穐田氏の多角化路線に不満を抱くオーナーの佐野陽光氏(42)が、半年前から経営の主導権を取り戻そうとして穐田氏と対立してきた。

最終的には、発行済株式の44%を握る佐野氏の力が圧倒的に強く、3月24日の株主総会後の取締役会で、穐田氏は社長を退任して代表権のない取締役執行役に降格。佐野氏も同じ取締役執行役に就き、社長に据えたのは外資系コンサル出身の岩田林平氏(42)だった。

このクックパッドの経営権を巡る騒動は、「会社は誰のものか」という古くて新しい命題を突きつけた。

佐野氏の判断に、明確に「ノー」といったのは、証券市場と従業員である。騒動は、1月19日、佐野氏が株主総会に向けて取締役の交代案を提出したことで表面化。翌20日、クックパッド株は23%下落してストップ安となり、21日にも6%下げた。証券市場は、成長をリードした穐田氏の退任が不満だった。