雑誌 ドクターZ
地方のカネを奪おうとする財務省の横暴〜「国の借金1000兆円」というウソに騙されるな

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日本のホントの借金額は?

財務省が地方の「カネ」を巻き上げようとしている。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が、2017年度以降に地方で生まれる税収増などの余剰財源について、新たな歳出に充てず、国に還元すべきだとの提言をまとめたのだ。

リーマン・ショック後、国は地方に総額30兆円規模の財源を移譲。国の債務削減に充当するため、今度は地方が還元すべきだと、審議会は主張している。「地方創生」をうたっていながら、地方からカネを奪っていいのか。国の債務削減のためと言うが、実際のところ、国の債務は今、どうなっているのだろうか。

特殊法人を含めた広い意味での政府について、国の連結バランスシートをみると、'15年3月末時点で、資産は932兆円で、負債は1371兆円。資産負債差額は439兆円だ。これは、財務省のホームページに掲載されている。

ただし、このバランスシートには、日銀が含まれていない。

日銀は政府が過半の出資証券を持ち、役員任命や予算の認可権を持つ、いわば「政府子会社」である。国の財政状況を考える際、国だけではなく中央銀行も含めた「統合政府」として分析するのは、経済学でも常識だ。

そこで、日銀を含めた、さらに広い意味での政府のバランスシートを考えてみよう。'15年3月31日時点で、日銀の保有国債残高は270兆円である。つまり、政府の実質的な債務残高は169兆円であると考えることができる。

世間では「国債残高1000兆円」という声ばかりであるが、本当はせいぜい150兆円程度なのだ。