世界で進む「大麻合法化」。裏社会の住人にその実態とホンネを聞いた~丸山ゴンザレス・中南米突撃ルポ!

『クレイジージャーニー』裏日記⑤

マリファナ合法化に向かう世界

私はこれまで、世界各地で麻薬ビジネスについて取材してきた。TBS系『クレイジージャーニー』ではその一部が放送されているので、ご覧になった人もいることだろう。

麻薬について取材しているからといって、それを使うことをオススメしているわけではないし、ましてや自分自身で使用することもない。ただ、日本を含め世界中で麻薬が流通していることは紛れもない現実だ。犯罪やアングラの世界を取材する者として、その実態を把握しておきたいと考えている。

生産者、売人、消費者……麻薬に関わるさまざまな人々に接し取材を重ねることで、いかにして「商品」として流通していくのか、これまで覆い隠されていたドラッグ市場がおぼろげながら見えてきた。本来ならそれらをまとめて紹介したいところなのだが、今回は世界でも合法化の動きが広がっている、マリファナについてリポートしたい。

ここ最近、違法ドラッグの中でも大きな変化の動きがあるのが、マリファナ市場だ。特にアメリカでは、医療目的や嗜好品として使用する場合のマリファナ合法化が進められている。2012年、ワシントン州の住民投票で使用が合法化されたのを皮切りに、2014年1月にはコロラド州で娯楽目的の大麻使用が解禁されるなど、その動きは全米に広がりつつある。

ホワイトハウス前でマリファナ合法化を訴える集団【PHOTO】gettyimages

この流れが世界のドラッグ市場にどのような影響をあたえるのか。多くの有識者たちがその予測を打ち出している。推測や予測というものは、大外れすることもあれば、バッチリど真ん中にヒットすることもある。それだけに興味深いものも含まれていた。

「マリファナが合法化されたら、メキシコの麻薬カルテルは打撃を受ける」

メキシコでは、ドラッグが生み出す巨大な利益を巡る争いが「麻薬戦争」と称されるほどに激化している。すでに12万人が犠牲になったとされているが、犯行グループが「麻薬カルテル」という表に出てこない性質の組織であるため、正確な数字はいまだにはっきりとしない。

だが、明白に分かっていることもある。それは麻薬カルテルがドラッグを販売する相手は、アメリカであるということ。だから、アメリカ人が合法的にマリファナを入手できるようになれば、メキシコから入ってくる違法なドラッグには手を出さないだろうというわけだ。

はたして本当にそうなのか。アメリカで進むマリファナ合法化を機に、ドラッグ・ビジネスで何が起きているのか、そして何が起きようとしているのか。当事者の声をまとめながらお伝えしたい。世界的に進む合法化への動きを把握しておくことは、日本にとっても意味のないことではないだろう。