活断層は必ず動く!
~熊本地震の「次」に今すぐ備えよ

直前の予知は今のところほぼ不可能だ……〔PHOTO〕gettyimages


文/宍倉正展(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

熊本地震と活断層

日本列島はどこでも被害をもたらす地震が起こりうるところである。そう改めて思い知らされたのが2016年4月14日と16日に発生した熊本地方を震源とする一連の地震であった。

2011年東北地方太平洋沖地震以来の最大震度7を記録し、家屋の倒壊や斜面の崩壊など強い揺れによる被害が目立った。熊本城周辺では、加藤清正公の時代に建てられた建造物も軒並み崩れたが、つまりその時代から今まで、これほどまでに強い揺れに襲われたことがなかったことを意味している。

多くの方にとって、まさか熊本で大きな地震が起こるとは、という思いであろう。しかし実は過去をもっと遡れば、熊本地方直下で同様の地震が起きていたことがわかっており、将来再び大きな揺れに見舞われることは、事前に想定されていたのである。

ただ、わからなかったのは、そのタイミングであった。

今回の地震は阪神淡路大震災をもたらした1995年兵庫県南部地震と同じ、典型的な内陸活断層の地震である。活断層とは、地震の震源として過去からくり返し活動し、将来再び地震を起こす可能性のある地殻のズレのことを言う。今回の地震も布田川・日奈久断層帯と呼ばれる既知の活断層が震源となり、地表では地盤が最大約2mもズレたことが報告されている。

「活断層」という言葉が社会的に認知されたのは阪神淡路大震災の時で、これを契機に政府は地震調査研究推進本部(地震本部)を設置した。当時地震本部では、日本列島に2000以上あると言われる活断層の中で、特に重要と思われる98の主要活断層をリストアップして、その性状を詳しく調べることとした。その中には布田川・日奈久断層帯も含まれていた。