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日銀「次の追加緩和」は、やってはいけない!
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4月の日銀決定会合で追加緩和策が打ち出されるとの期待から、金融市場では円安、株高が進んでいる。そして、債券市場では追加緩和期待に加え、投資家が日銀に市場実勢価格を上回る価格で国債を買ってもらおうとする“日銀トレード”が金利低下圧力を高めている。

こうした動きを過小評価すべきではない。

特に、日銀のオペレーションで“札割れ”が生じ、日銀が想定通りに国債を買入れることが難しくなる可能性が高まっていることには注意が必要だ。追加の金融緩和を行っても、景気に対する効果は非常に小さいとの見方も増えているだけに、金融政策の先行きは慎重に考えた方が良い。

金利を低下させる“日銀トレード”

1月末のマイナス金利政策の導入以降、国内金利の低下が著しい。

すでに国債の流通市場では、満期までの残存年数が12年までの国債の金利はマイナスに落ち込んでいる。より期間の長い国債の利回りも低下基調だ。たとえば40年国債の利回りは、月初には+0.43%程度だったが、20日には+0.3%を下回った。

一方、原油価格の上昇や日銀追加緩和への期待などから、ドル高・円安が進んでいる。それを受けて国内の株式市場も上昇基調だ。本来、こうした状況では金利が上昇してもおかしくはない。しかし、国債市場では一貫して金利は低下基調にある。

その背景にあるのが、“日銀トレード”だ。日銀トレードとは、資金供給のために日銀が実施する債券の買入れ(オペレーション)を使い、投資家や金融機関が市場実勢よりも高い価格で日銀に国債を買ってもらうことを指す。こうすれば、仮に金利がマイナスの水準で国債を買っても、一定の利益を出すことが可能だ。

つまり、国内金利は経済の実態よりも、一部投資家の短期的な利益狙いに振り回されている側面が強い。21日には、一時、3ヵ月物の短期国債の利回りがマイナス1.0%を下回る水準に急低下した。一部の金融機関が日銀オペ狙いで特定の銘柄を買い占めた結果、需給がひっ迫し、金利の低下に歯止めがかかりづらくなっている。