世界経済 中国
中国でキケンな「不動産バブル」が再燃中! 消費低迷でも「6.7%成長」のカラクリ
焚きつけているのは中国政府だ
王保安・前国家統計局長 〔PHOTO〕gettyimages

国家統計局長の「突然の失脚」

中国の国家統計局が発表する第1四半期(1月~3月)の各種主要統計が出揃った。

統計の解説の前に、まずは国家統計局の「顔」である王保安局長(大臣)が、1月26日に忽然と消え、2月26日から、国家発展改革委員会の寧吉喆副主任が、局長に天下った一件から述べよう。

王局長は1月19日に記者会見を開き、内外の記者団を前に、「2015年の中国のGDPの成長率は6.9%だった」と胸を張った。その二日後の1月21日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、ブルームバーグのインタビューに応じたジョージ・ソロス氏が、こう言い放った。

「中国経済は、ハード・ランディングに向かっている。グローバルなデフレ圧力を悪化させる急落だ。それが株価を引き下げ、アメリカ国債を引き上げる。この中国のハード・ランディングは、現実問題として、避けられないものだ」

この不気味な予言が世界を駆け巡ったことで、中国に対する不信が、一気に広がった。そこで、このソロス発言を打ち消そうと、1月26日、王保安局長が再度、記者会見に臨んだのである。

王局長は、いつもの強気の口調で、こう述べた。

「中国経済のプライオリティと、V字回復の勢いはまったく変わっていない。ソロスのうわごとのような中国経済の予測は、起こりようもない。中国の株価が多少下がったからといって、それが中国経済全体に与える影響は微々たるものだ。中国の株式市場は、これからも自信を持って進んでいく」

だが、王局長の防戦虚しく、この日の上海市場は6.4%、深圳市場は6.9%も暴落したのだった。

それはそうと、この会見の直後、思わぬ展開になった。国家統計局の内部事情に詳しい中国の経済関係者が明かす。

「王保安局長の記者会見が始まったのが、午後3時だった。4時頃に会見を終えた後、王局長は夜7時半から、国家統計局の幹部たち全員に招集をかけ、『国家統計局活動会議』を行うとしていた。国務院を統括する李克強首相の新たな講話を学習するというのが、会議の目的とされた。幹部たちは、『なぜ夜に会議なんか開くのか?』と訝りながらも、待機していた。

だがその実、王局長は局長専用車の運転手に、会見が終わったら、北京首都国際空港に向かうよう指示していた。同日夜7時発のパリ行きエールフランスと、夜9時発のフランクフルト行きルフトハンザのファーストクラスを、それぞれ2枚ずつ予約していた。身の危険を察した王局長は、何と愛人とヨーロッパに亡命するつもりでいたのだ。

会見が終わった後、王局長は隣の控え室に移り、そこに置いてあったカバンとコートを取って出ようとした。その時、党中央紀律検査委員会副書記と助手、それに二人の特警(特殊警察)が控え室に踏み込み、王局長を引っ捕らえた。王局長のカバンの中からは、『黄国安』『丁毅』という名義の2枚の偽造公用パスポートが見つかった。愛人は、北京首都国際空港の貴賓室にいるところを引っ捕らえられた。

王局長には、古巣の財政部時代に、数億元を不正蓄財し、それらをアメリカとヨーロッパに隠匿していた容疑がかかっている」

このような無様な大臣が、「中国のGDP成長は6.9%」と胸を張っていたのだ。中国内外の多くの経済専門家が、「中国GDP虚偽論」を唱え始めている。私も昨年、6回訪中したが、「肌感覚」として6.9%も成長しているようには、とても思えない。

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