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訪日中国人「爆泊」で急増する「ホテル難民」〜大都市の宿泊費はこんなに高い!
常連客が泊まれない
ビジネスホテルはサラリーマンの友だったのに……〔PHOTO〕gettyimages

家電や化粧品ならまだいいが、ホテルの部屋まで丸ごと買い占められたらたまらない。そもそも、インバウンドなんて一般庶民には関係ないこと。中国人より常連客を大事にするのが筋じゃないのか。

シングル素泊まり2万円!

東京の大手飲料メーカーで営業職を務めるA氏は、今年2月、大阪への出張を命じられた。

「大阪に行くときにいつも使っていたビジネスホテルの価格を見て驚きました。シングル素泊まりで、なんと2万円もした。以前は8000円で済んだのに……。会社の宿泊手当は1泊1万円が上限だから、とても泊まれない。現地で見つければどこか安いところがあるだろうと、宿を決めないまま大阪に向かいました。

ところが、大阪市内でホテルを見つけては手当たり次第に飛び込むも、どこも満室。結局、梅田界隈を歩きまわって、ようやく空きが見つかったのはカプセルホテル。まるで蛸壺のようなベッドで一夜を明かしました。シャワーしかないので、風呂でゆっくり疲れを癒やすこともできない。結局、次の日の商談も、いまひとつうまくいきませんでした」

A氏のように、ビジネスホテルの宿泊料金高騰のあおりをうけ、「ホテル難民」になる人が続出している。『ホテルに騙されるな!』などの著書があるホテル評論家・瀧澤信秋氏が言う。

「中国の景気減速もあり、外国人観光客によるホテル供給への圧迫は一段落するかと思われていました。しかし、フタを開けてみれば、今年に入ってもインバウンドの勢いは衰えず、東京や大阪、京都などの都市部でホテルの予約が取れない状況は相変わらずです」

実際、昨年の訪日外国人数は1973万人で、'14年に比べ実に47%も増加した。そのうち約500万人と、全体の4分の1以上を占めるのが中国人観光客だ。

政府は'20年までに年間の訪日外国人数を4000万人まで増やす計画を発表しており、その勢いはとどまるところを知らない。訪日外国人が増え、ホテルの需要が増すにつれて、大都市圏にあるホテルの宿泊費もまた上昇している。

宿泊予約サイト大手のホテルズドットコムが2月に発表した調査結果によれば、東京は8%、京都は14%、大阪に至ってはなんと24%も前年より宿泊費が上がっているのだ。

「本来ホテルには、国土交通省に申請しなければいけない正規の料金があります。従来は、この正規料金を下回る価格設定はあっても、大幅に上回る料金はあり得ず、急激な値上げは認められていなかった。しかし、今はこの料金基準が有名無実化していて、まったく機能していない。

ここ数年ホテル業界は全体的に急激な値上げを繰り返しているのですが、それに歯止めをかける方法がなくなっている。国交省も見て見ぬふりなのが現状なのです」(観光ジャーナリスト)

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