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安倍晋三が影の宰相・菅義偉の「反乱」に脅え始めた
「もういいよ。オレは疲れた」
〔PHOTO〕gettyimages

後に退けない状況に追い込まれ、「決断」を迫られる安倍総理。一方で、政権をウラで動かし、事実上掌握してきた男の胸中には、大きな変化が起きていた。永田町で少し遅れて、春の嵐が吹き荒れる。

菅の本音は「W選などムリ」

「ある若手議員が最近、『菅さんから声をかけられた。派閥ではないのだが、グループをひとつ作ろうと思うからそこに入らないか、と言われた』と話していました。

自民党内の若手~中堅は、皆『これから安倍総理と菅官房長官の関係がどうなるのか』に大きな関心を寄せています。そんなにずっとうまくいくはずがないだろう、と」

こう明かすのは、政治評論家の浅川博忠氏だ。

「影の宰相」菅義偉官房長官が、ついに動く。

'09年に自民党が一度下野して以降、派閥に属さず、「一匹狼」を貫いてきた菅氏。しかし、

「彼は総理の振る舞いや政権支持率の下降、また自民一強が長く続いて党内に驕りが出ていることなどを、きちんと分析している。『その先』の下地を固めるために、ついに自分のグループを作ろうとし始めたのかもしれません」(前出・浅川氏)

その理由は、彼がその圧倒的な政界ネットワークと勝負勘にもとづいて、こんな「答え」を弾き出したからに他ならない。「もはや安倍政権は、そう長くはもたない」と。

7月10日投開票の可能性が高い、衆参ダブル選挙。本誌が4月23日号で掲載した選挙予測は、「野党共闘が実現すれば、衆院で自民党65議席減、民進党74議席増」というショッキングなものだった(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48437)。

安倍総理は今、悩みに悩み抜いている。解散に踏み切るべきか、否か。

憲法改正を実現するには、自公が衆参両院で3分の2以上の議席を握る必要がある。しかも、「参院で3分の2」まではあと26議席増やさねばならず、ハードルが高い。

「ダブルにしなければ、3分の2どころか、ゆるみきった参院自民党は大苦戦する」(自民党議員)

だが、「消費税増税を再び先延ばしにして、選挙に勝つ」という戦法が、'14年の総選挙と同じく通じるかどうかは未知数だ。増税先延ばしを大義にすれば「アベノミクスの失敗じゃないか」と叩かれるのは目に見えている。どう転んでも、総理にはリスクが大きい。

そんな中、菅官房長官は最近、親しい記者の前でこう漏らしている。

「安倍総理がやると言うなら、やるしかない。私は止める立場にはない。しかし、客観的に見るならば、ダブル選はできない。とうていムリだ」

カメラの前では「解散は総理の専権事項」と繰り返し、それ以上は何も口にしようとしない菅氏だが、2人の歩調はすでに大幅にズレている。

菅氏が発言の根拠にしたのは、党で極秘に行った選挙予測である。その中身は、本誌の予測と一致するものだった。

「官邸の指示で自民党が独自に調査した結果は、『ここで解散・総選挙を打てば、40議席減。それも、民進党と共産党の選挙協力がない場合で』というショッキングなものでした。当然、野党が候補を一本化してくれば、60議席前後は削られるでしょう」(自民党関係者)

その衆参ダブル選の「試金石」となる衆院北海道5区の補選は、4月24日の投開票を前に、自民党が劣勢だ。最新の調査では、野党候補の池田真紀氏が約4ポイントリード。4月14日には小泉進次郎衆院議員も応援に入ったが、手応えはいま一つだった。

東京から現地に入った自民党関係者は、「何か逆転の手はないのかな」と天を仰ぎ、こう続けた。

「池田氏が『父親からDVを受けた』『夫が借金で蒸発した』といった壮絶な過去や、『中卒から猛勉強して大検、介護福祉士、社会福祉士などの資格をとった』という話を街頭演説で前面に出すようになってから、流れが完全に変わってしまった。

実は、公明党支持者に絞った調査も行いましたが、そこでも3ポイント差で野党優勢。もう空中戦では勝てないから、地元企業に絞って徹底的にドブ板をやる。もし負けたら、ダブルどころか政権がどうなるか……」

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