企業・経営
三菱自動車「不正」は氷山の一角?自動車業界モラルハザードの実態
人命に関わるレベルのものも
【PHOTO】gettyimages

再び経営危機に陥る可能性

三菱自動車は20日、同社製軽自動車4車種で燃費を実際よりもよく見せるためにデータを改ざんしていたと発表した。テスト時にタイヤなどの抵抗の数値を意図的に不正に操作することで、実際の燃費よりも10~15%程度に上乗せしていたという。同社の相川哲郎社長が国土交通省で記者会見し、謝罪した。当面、相川社長は原因究明に注力する考えだが、いずれ社長をはじめとするトップの経営責任は免れないだろう。

対象車種は三菱「ekワゴン」「ekスペース」と、同社が日産自動車に提供している「デイズ」「デイズルークス」の4車種で、計約62万5000台。三菱と日産は合弁で軽自動車の企画会社を運営している。現在の車種は三菱が中心となって開発したものだが、次モデルでは日産が主に開発を担う。

日産が次モデル開発に当たり、現行車種の燃費を測定したところ、国土交通省への届出の値とかい離があったため、日産側からの指摘を受け、三菱が社内調査したところデータ改ざんが発覚したという。

三菱自動車の不正行為は、昨年発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題と構造が似ている。VWの場合は「ディフィート・デバイス」(無効化機能)と呼ばれる、排ガス試験時のみ有害物質である窒素酸化物(NOx)の排出が抑制される違法な制御ソフトを使い、通常走行では最大で基準値の40倍も排出していた。三菱もテストで不正を行うことで目標値をクリアして虚偽の燃費データを届けていた。

三菱自動車は過去に2回、大規模なリコール隠しを行ったことでブランドイメージは地におち、経営危機に陥った。三菱東京UFJ銀行、三菱重工業、三菱商事の3社が財務的な支援を行うことで、危機を乗り越え、危機の際に発行した優先株の処理もやっと終わったところだった。

三菱自動車は今回の不正によって、「業績への影響はどのくらい広がるのか分からない」としているが、ただでさえ不振の国内販売に追い打ちをかけ、再び経営危機に陥る可能性もある。頼みの綱である三菱重工業と三菱商事も、造船事業や資源エネルギー事業の不振などによって、以前のように自動車を支援する余力はないと見られる。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら