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本当にあったウソのような「非常識な判決」10選

世間知らずエリートが頭だけで考えると…
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友達がいない人たち

(10)子どもが蹴ったボールで起きた事故は親の責任

校庭で小学5年生の少年が蹴ったサッカーボールが道路に飛び出し、バイク運転中の85歳の高齢者がこれを避けようとして転倒し、死亡した。遺族はこの少年と両親を相手に、死亡結果に対する損害賠償責任を追及した。

〈サッカーボールも蹴り方によっては事故が発生することは予想できる。両親は少年を監督すべき立場にあったのだから、その責任をとって1500万円を支払え〉(2011年、大阪地裁、最高裁で逆転無罪)

「子供が遊んでいてボールが飛び出てしまうことは日常的にも起こりうることで、道路の通行者にとって危険なのは確か。それが起きないように少年を監督するには、親は常に子供につきまとっていなければならなくなる。それは現実的に不可能です。それと、ボールが道路に飛び出さないようにするネットを設置するといった、学校側の責任が問われていないのも疑問です」(間川氏)

どうして、このような非常識な判決が続くのか。間川氏が続ける。

「裁判官は交友関係が限られています。特に地方では、事件の当事者に偶然、出くわす機会があるため、官舎と裁判所の往復だけをしている裁判官も多い。そういう生活を続けると、一般の社会常識とずれてしまう。

さらに、人事的な問題があることも見逃せません。『変な判決』と言われるものは、地裁の支部が多いのですが、そこには、定年を待つだけの裁判官が飛ばされて赴任しているケースが多いようです。出世がのぞめなくなった裁判官が、書きたいことを自由奔放に判決文に書く傾向があるのです。

また裁判官も、一般社会と同様、運営能力を問われています。裁判所の隠語で、『赤字、黒字』というものがあって、新件の受け入れ件数よりも処理件数が多い場合は黒字、受け入れ件数が多ければ赤字となる。

『今月は黒字だった』『何ヵ月連続で赤字だ』などという会話が、裁判所内で飛び交っているそうです。案件を数多く処理したほうが裁判官としての評価は高くなる。なので、場合によっては和解を強要する裁判官も少なからず存在します」

裁判官が、世の中の正義より、自らの保身を優先し続ける限り、非常識な判決は続く。

「週刊現代」2016年4月23日号より