巨大化するショッピングモールは、地方都市の「最後の希望」か「未来の廃墟」か
〔PHOTO〕iStock


文/貞包英之(
山形大学准教授)

あらたなモールの出現

近年、地方暮らしはますます豊かになっているが、その反面、「快適性」という檻のなかに人びとはいっそう閉じ込められている。

それを促す有力な装置となっているのが、ショッピングモールである。

ショッピングモールは、とくに1990年代後半以降、地方の郊外に多数進出し、周囲の生活を大きく変えてきた。

全国でみれば、1996年に2000店を超えて以来、2009年には3000店を超すまでの増加をみせたのであり、2007年まででみれば、増加分993店のうち大都市中心部への出店は5.4%でしかなく、中小都市、町村の中心部でも19.3%、残りをそれらの外部の周辺地域や郊外で占めていた(商業界編集部編『日本ショッピングセンターハンドブック』商業界、2008年)。

もちろんそれ以前から、類似の商業施設がなかったわけではない。キーテナントと小売店を計画的に集めた本格的な大店舗としては、1969年に東京の二子玉駅に隣接しつくられた「玉川高島屋ショッピングセンター」が最初といわれるが、その後、全国に同様の施設がつくられるようになった。

大規模小売店舗法(大店法)の成立を前提に、1980年代には小売店を集積する大規模店が従来の市街中心部から離れた場所に林立し、郊外暮らしをますます豊かにしていったのである。

ただしここでは、こうした以前の買い物の場所(=ショッピングセンター)と、モールを分けて考えたい。近年のモールは、あきらかに以前のショッピングセンターとはちがう特徴を持ち、地方の生活を異なるものへと変えているからである。