中国
安倍政権の先行きに暗雲!? 
韓国総選挙で与党大敗、東アジアで激化する「左派の逆襲」

民進党の政権奪還は夢物語ではない
〔PHOTO〕gettyimages

韓国総選挙で与党セヌリ党が大敗

4月14日夜、熊本で大地震が発生したが、その前日には、象徴的な意味で東アジア全体に激震が走っていた。4年に一度開かれる韓国の総選挙で、朴槿恵大統領率いる与党セヌリ党が大敗したのである。

定数300議席のうち、過半数を目標に掲げていたセヌリ党は、146議席から122議席へと24議席も減らした。これに対し、野党「共に民主党」は、102議席から123議席へと躍進。第三極である「国民の党」も、20議席から38議席へと大きく票を伸ばした。

セヌリ党は、「親朴」と言われる朴槿恵大統領派と、「反朴親李」と言われる李明博前大統領派が、選挙直前まで政争を繰り返し、これが最大の敗因となった。

私のソウルの知人に、朴槿恵大統領の熱烈なファンだった70代の元官僚がいる。カカオトーク(韓国版LINE)で選挙について聞いてみたら、次のような回答が来た。

「長年、保守勢力に投票してきたが、今回ばかりは家内と話して、投票に行くのをやめた。最近のセヌリ党には落胆しているが、そうかと言って左派には投票したくなかった。私の仲間には、そのような人が何人もいた」

一方、若者のセヌリ党離れはもっと甚だしい。若年層(30歳まで)の2月の失業率は、過去最高の12.5%に上った。韓国に流行語大賞があったら受賞しそうな言葉が、「七放世代」(チルポセデ)だ。あまりに貧しくて、「恋愛、結婚、出産、マイホーム、友人関係、夢、就職」の7つを放棄した若者世代を指す言葉だ。

私は昨年末に訪韓した際、ソウルの若者たちとも議論したが、「就職は大変で、コンビニでの臨時バイトさえ、中国人留学生が格安でやってしまうためできない」と嘆いていた。こうした若者たちが、与党セヌリ党に投票するはずもなく、結果、大票田の首都ソウルで、セヌリ党は12勝37敗と大敗したのだった。

この選挙結果は、今後の韓国と東アジアに、多方面にわたって影響を及ぼしていくことが予想される。