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その外貨預金、ホントにお得ですか?
絶対に知っておきたい"基本のキ"

「外貨建て資産運用」を考える貴方へ
〔PHOTO〕iStock

FXは「ギャンブル」だ

「ミセスワタナベ」とは、主にFX(外国為替証拠金取引)でポジションを持つ日本の個人投資家のことを指す、外国為替の世界の通称だ。かつて、FXで大儲けした際の脱税がニュースになり、その儲けの額で世間を大いに驚かせた一般主婦がワタナベさんだったことに起源を持つネーミングだったと記憶する。

このミセスワタナベさんたちの円売り・外貨買いのポジションが、近時の円高にも関わらず、増えていないのだという(『日本経済新聞』4月12日、電子版 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99543070S6A410C1000000/?n_cid=TPRN0001

彼女らは(実際にはFXは男性の方が多そうだが)、円高になると逆張り的に外貨を買って円を売る傾向が強かったのだが、ドル・円では少々前の115円〜120円といったゾーンから110円を割り込む急激な円高で損失が膨らみ、「損切り」を行うケースが増えてきて、さらに、逆張りに対して慎重になっているらしい。

損をした方が多いらしいのはお気の毒なことだが、そもそもFXは儲かる人のほうが極めて少なく、儲かるのは幸運なときだけなのだと理解すべきだ。

円高で損をする人がいれば、そのときに反対に円安で儲かる人もいるのだから、勝ち負けは半々ではないかと思う人は、ギャンブルの真理を知らない。僅かであっても、取引業者(博打だと「胴元」)が稼ぐ仕組みになっている分、普通のギャンブル参加者は結局のところ損をしやすい仕組みになっているのだ。

FXは、やってもいいが、パチンコや競馬と同様に、「ほどほど」に楽しむべき「ギャンブル」だ。決して「運用」や「稼ぎ」の手段ではない。

為替の性質やリスクに関する一般論は、多くの人が儲かっている円安の時に伝えようとしても、伝わりにくい。久しぶりに円高が進んだ今、外貨建て資産による運用の一般論を確認しておきたい。

為替のリスクは、競馬のような(ゼロサムゲーム的な)ギャンブルのリスクや、商品の将来の値段を当てるゼロサム・ゲームである商品相場のリスクと同様に、資本に対するリスクと同様に追加的な期待リターンの存在で補償されることが期待しにくい、いわば「投機のリスク」だ。

株式投資や不動産投資のように、「資本」を提供し、その資本の価格形成の際に「リスク・プレミアム」(リスクの負担を補償する追加的な期待リターン)が期待できるようなリスクの負担ではない。つまり、為替リスク(と同時に外貨の金利に投資するリスク)を取ることは、それ自体が儲けを増やす資産運用の手段ではないということだ。

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