雑誌
東京~鹿児島1350kmをなんとガソリン25Lで走破 byアウトランダーPHEV
流し撮り男の流れ旅

TEXT&PHOTO/池之平昌信

故郷鹿児島への帰省を無給油で走っってみせるから、ページにしてくれという懇願が通り、感情を押し殺し、ひたすら走り続けることになる1週間のレポートだ。

'15年12月29日早朝、アウトランダーPHEV電・燃費取材班(たった一名)はガソリンを満タンにし、東名用賀を静かに「キュィーーン」と出発した。

'13年春発売直後のアウトランダーPHEVで無給油の旅を企画し「もんどりうちながら北九州までいった」という国沢親方と本郷編集長の記録を破りつつ、故郷鹿児島に凱旋するためである。

ひたすら「エコモード」80km/h前後でじっくり走行。港北PA、海老名SA、足柄SAと一回30分の休息充電、いや急速充電を繰り返していく。

蓄えた電気がなくなるとエンジンがかかるが、ほんの数キロでSAに着くことが多い。

150km以上走った静岡県内で170km/Lという表示。「ここまで1Lの燃料できたとか! こうなったら、充電可能なSA、PA全部に寄るぞ」と決意し再出発。

走行はレーダークルーズコントロールとし80km/hほどをキープ。暖房も弱めでACオフ。節約走行を徹底!

静岡県内までは、モーターの力でトルク満点、クルマの重量もあるので乗り心地も良好。「まるでV8のレンジローバーのようじゃ」と思うほどのセレブ気分だったが愛知県に入ると一転、きつく、つらい旅になってきた。それでも「奇跡の燃費?」という『ベストカー』の見出しが目に浮かぶ(涙)。

悲壮な決意とうらはらに燃費はみるみる下がっていき、55km/Lほどで安定。まあそれでも充分いい数字だ。

新東名、伊勢湾岸道、東名阪を淡々と走る。一時間ほど走っては30分間充電、の繰り返し。充電所が使用中のことがまずないのが救いだ。8カ所目の充電所である三重県の御在所SAから先は激しい事故&帰省渋滞。電費的には低速度の渋滞は助かるのだが、疲れたので仮眠、のつもりが朝まで爆睡。

あわてて出発して土山、草津、桂川、西宮名塩、三木、福石、吉備、道口、福山、小谷、宮島、下松(仮眠)、佐波川、美東、壇之浦、古賀、広川、北熊本、宮原、えびの、桜島のSA/PA(鹿児島出身の長渕剛の『乾杯』や西郷輝彦の『星のフラメンコ』を何度歌ったことか)で充電しながら近畿、中国、九州と淡々と走行。

鹿児島ICで高速を降り、勝手に決めたゴール地、鹿児島市役所前に着いたのは31日紅白歌合戦の最中であった。急速充電29回でガソリン25L使用。燃費54km/L。燃料計はちょうど半分を示している。はて これは偉業なのか? 愚行なのか? 多分、残念ながら……、やっぱり。

薩摩の象徴、燃える桜島! 帰ってきたぜ! 俺の闘志の火もどうにか持った  撮影/渡邊光

東京へのUターンはさらに厳しい修行が

元旦、初詣をして編集長に報告すると「道の駅やディーラーで充電しながら国道で帰京せよ」というではなかか!

正月2日夕方、ガソリンを満タンにし鹿児島を出発。国道3号(九州)、2号(下関から大阪)と上っていく。「充電は一日3回まで」と自主ルールを設定したが、深夜はホテルに泊まり休んだため、鹿児島~大阪間2泊3日、938kmの旅となった。

神戸市内で燃料警告灯が点き、37L給油してしまったが燃費は23・3km/Lを示しており、大阪まで無給油で行くことは充分可能だったのが悔やまれる(うかつだが後から燃料タンクは45Lと知った)。

クルマの返却など社会復帰の時間が迫り大阪からは充電なしで高速を飛ばした。「バキューーン」とランエボ並みかそれ以上の富裕層的加速感。サイコーだ。それでいて燃費はさほど悪くない。

「あれ、これがもしかしてこのクルマの魅力?」

そうだ、節約モードで電気自動車としておとなしく乗るのもOK。大排気量の高級車のように高速道路の追い越し車線を余裕で走ることもOK。いいとこどりでなんと都合のいいクルマじゃないか。

おまけに税金などは優遇されるし、本格4WD・SUVなので、極細タイヤで我慢しているふうもないエコカー。愛車であるパジェロイオに比べると「スーパーカー」といえるだろう!

「けど、29回も充電すんだったら、アイ・ミーブでいってもよかったんじゃない?」という某友人の言葉に疲れがどっと出た流し撮り職人なのであった。

「ベストカー」2016年2月26日号より

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