鉄鋼の急速な需要落ち込みでピンチ!新日鉄住金は「守りの戦い」に勝てるか
舞台はブラジル
【PHOTO】gettyimages

新日鉄住金「守りの戦い」

中国発の世界的な供給過剰の暴風雨の中で、新日鉄住金のブラジル拠点「ウジミナス」(2014年の粗鋼生産量で世界62位)を守る闘いが大詰めを迎えている。

ウジミナスの前身は、ブラジル政府が1958年に設立した国営企業だ。設立には、日本が国家プロジエクトとして協力した。紆余曲折の末、旧新日鉄が2006年に持ち分法適用会社として傘下に収めた、特別な会社である。南米向けの供給拠点となっており、新日鉄住金のグローバル戦略に無くてはならない企業だ。

しかし、このところは中国勢の過剰供給に圧されて業績が大きく落ち込んでいる。テコ入れするにも、第2位の大株主であるアルゼンチン企業との確執が響いて、思うように立て直しが進んでいなかった。

そこでウジミナスは、月内にも臨時の株主総会を開催し、アルゼンチン側の協力も得たい考えだ。これが不調に終わった際に、新日鉄住金は、単独で必要な増資を引き受けて、本格的な再建をリードするという。「守りの闘い」に勝算があるのか探ってみた。

鉄鋼市場は依然として、土砂降り状態だ。中国など新興国の経済バブルの崩壊によって需要が減る中で、過剰な生産設備を抱えた中国からのダンピング紛いの輸出が後を絶たないからだ。

世界鉄鋼協会が集計した2015年の粗鋼生産量は、前年比2.8%減の16億2280万トンに減少した。これは6年ぶりの前年割れだ。5割近いシェアを占める中国が34年ぶりにマイナスとなったほか、日米欧の3極もそろって前年の生産実績を下回った。

今年に入ってからも、低迷は続いている。1月の粗鋼生産量が前年同月比7.1%減の1億2800万トン、2月が同3.3%減の1億2000万トンにとどまった。

それでも、なお鉄鋼市場の供給過剰感は強く、ダンピング輸出やそれに伴う経済摩擦が勃発しかねないと関係者は警戒を強めている。

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