カラスはかわいい鳥です!! 「カラス萌え」の専門家が書いた入門書がおもしろすぎる
〔イラスト〕植木ななせ

嫌われ者カラス。怖い、ゴミを漁る、カアカアうるさい……。しかし、本邦初のカラスの入門書『カラスの教科書』を読むと、そのイメージは一変します。著者の松原始さんにカラスのあれこれを聞いてみました。

カラスって、意外と……!?

―カラスを話題にすると、「何だか怖い」という反応がとにかく多いのですが?

松原 でしょうね(苦笑)。

僕は、カラスが首かしげてるのがすごく好きなんですよ。ほんとは片眼ずつでものを見ているだけなんですけど、考え込んでいるようです。今、餌に行こうかどうしようか考えてるでしょ、と突っ込めそうなところが好きですね。それでいて電線の端まで行くと足を踏み外すとか、そういうところもまたいいんです。

―おっちょこちょいでもあるんですね。カラスの性格というと?

松原 意外とビビリです。ばったり人間に出くわすと怯えます。上から見ているときも人間が立ち止まると気にしますし、パッと振り向いたりするとビックリします。

―カラスに頭を蹴られたなどの話もありますけど?

松原 まず聞いたことがないです。大きい相手に対して嘴(くちばし)の届く範囲まで行くというのは、鳥にとってすでに「負け」なんですね。

―大学の卒論もカラスをテーマにされたとか?

「カラスに燃え、カラスに萌えるカラス馬鹿一代」を自称する松原始先生

松原 はい。もともと子供の頃、近所にカラスのねぐらがあって、よく観察してはいたんです。下からカーと言ったら、返事した奴がいたり。大学で野生生物研究会というサークルに入ると、友達はサルやムササビを見に行ったりするわけですよ。そこで僕はカラスを見に行ったら、じつは何も知らないことに気がついた。

それから4年の卒業研究です。屋久島のサルの観察に行ってはいたけど、サルにはそこまで興味はなかった。何か気の利いた動物はないだろうかと先生とカラスの話をしているうちに、5分くらいで決まりました。「カラスは女子供をバカにするか」というテーマです。それから1年くらいですかね、百回くらい京都の円山公園でカラスにパンくずを投げ続けた。そのころ、カラスを呼び集める変なニイちゃんがいる、と噂になっていたかもしれません。

―その結果は?

松原 カラスは女子供をバカにするかも……といった微妙なセンになったんですけれども、その間に、カラスの面白さに気づいたんです。同じ頃、下鴨神社で繁殖しているカラスも観察していました。こちらはペアで縄張りがある。はまっちゃいまして(笑)。カラスがふだん何をしているかが気になって、そこから抜けられなくなった。そのまま20年、カラス研究をやっちゃった、というわけです。