雑誌
これが本当の「ガン10年生存率」だ
〜部位別・年齢別に一覧表にまとめました

〔photo〕iStock

国民病と言われて久しい、がん。治療の甲斐あって治った人の割合は、どれほどなのか。その新指標となる「10年生存率」が公表された。だが報道された数字だけでは本当に知りたい情報は分からない。

「残された命」を知りたい

〈部位別の10年生存率は▽食道29・7%▽胃69・0%▽大腸69・8%▽肝臓15・3%▽肺33・2%……〉

今年1月末、こんな数字が新聞各紙の紙面に躍った。全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が、1999年から2002年までにがんと診断された約3万5000人を追跡調査し、日本で初めて集計・公表した、がんの「10年生存率」だ。

日本では2人に1人がかかる国民病、がん。男性では3人に1人、女性では4人に1人が、がんで命を落とすとされる。

胃、肺、肝臓など、さまざまな部位で発生するがんだが、実際にがんにかかってしまったら、どのくらいの割合で治るのかは、患者本人やその家族に限らず、私たち国民の多くの関心事だ。

東京医科歯科大学特任教授で、光仁会第一病院院長の杉原健一医師は、こう解説する。

「実は、これまでにも『5年生存率』が集計・公表され、医療の現場では一つの目安と見なされてきました。これは『診断から5年経って生存している人の割合』であり、治療の結果、再発もなく生存して5年が経てば、『まず、がんが治ったと考えていいだろう』ということです」

ではなぜ、5年ではなく10年での生存率が、新たに公表されることになったのか。

その背景には、新しい抗がん剤の登場などによって、再発しても長期間生存できる技術が普及しはじめたことがある、と杉原医師は指摘する。

「再発しても5年以上、生存する方が増えてきた。そうなると5年生存率の『治った』と判断する指標としての意味が揺らいできます。新たな指標として何年分の生存率がいいのかは、まだ医学界でも定まっていませんが、今回は初めて10年生存率までのデータが公表されたということなのです」