社長人事の「常識」が変わった! セブンイレブン、大塚家具、クックパッド…波風が立つのは悪いことではない
日本一の社長ウォッチャーが緊急寄稿
〔photo〕iStock

 社長人事でもめるケースは増えていく

先ほど、コンビニエンスチェーン最大手のセブンイレブンの役員会で社長交代案が否決された、というニュースが飛び込んできました(2016年4月7日午後)。

実際に何があったかは当事者しかわかりません。続いて鈴木敏文会長兼CEOが退任する意向を固めたというニュースも流れましたが、まだ情報が限定されているいま、私がこの件について申し上げることは控えます。

ただ、今回の件に限らず、これからこのようなことは増えていくでしょう。そのうえで私は、社長人事に波風が立たないことがいいわけではないと思います。取締役会が役員人事でもめるのは悪いことではない、そう考えています。

いきなり個人的な話で恐縮ですが、わたしは昨年10月にレオス・キャピタルワークスの社長になりました。

そもそもレオス・キャピタルワークスはわたしが2003年の創業した会社です。そのときも社長でした。2008年にリーマンショックがあり業績が悪化し、結果的に現在の親会社にわたしの持分をほぼタダで売却し、経営責任を取ってヒラ社員になったのです。しかし、その後の8年間で実績を積んで、昨年社長に返り咲きました。

わたし自身、会社に投資をする仕事ですが、そのためにたくさんの社長を見ています。いままで6000人以上の社長と会ってきました。たぶん日本一クラスの社長ウォッチャーだと思います。その経験から言っても、実質的に解任された社長が同じ仕事を続けながら、またその会社の社長に返り咲くということは、珍しいことだと思います。

その体験を経て気がついたのは、会社をガバナンス(統治)するのは次の3つの信頼によって支えられているということです。

1)株主の信頼
2)顧客の信頼
3)従業員の信頼

創業したとき、わたし自身は大株主でした。しかし株を手放して、新しい支配株主から社長を外されたら、社長は続けられません。それが株式会社の仕組みです。わたしは社長として、新会社の株主の信頼がないので解任されたわけです。そしてそれは当然でしょう。

しかし、それでも仕事が続けられたのは、かろうじて2)顧客の信頼と3)従業員の信頼が残っていたからです。

一度、実質的に会社を潰したわけですから、これらがなければ仕事の継続は難しかったでしょう。一文無しにはなったけど、信頼は一部で残っていたので、それをベースに仕事をしました。

そしてその成果が出たので、1)株主の信頼を得ることができて、また社長に戻ることになりました。これからも、3つの信頼があればここで仕事を継続できるし、なくなったらまた去ることになります。

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