企業・経営
鴻海、買収契約にようやく調印!
シャープの次なる課題は「V字回復」だ

増資の払込期日は10月5日
〔PHOTO〕gettyimages

先日の日経の報道によれば、4月2日午後、ようやく台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープの買収契約に正式調印した。

鴻海は3,888億円を出資してシャープの経営権を握る。郭台銘・董事長は記者会見で、液晶事業を中心に成長投資を加速し、今後2~4年で経営再建を目指す方針を示した。

シャープの従業員の雇用は原則維持する一方、経営陣は刷新する。シャープが液晶への巨額投資の失敗で経営危機に陥って4年余りとなり、外資傘下で抜本的な改革に取り組む。

※シャープIR(開示事項の経過・一部変更)「第三者割当による新株式の発行 並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ

決定事項ハイライト

以下は、シャープのIR資料、及びマスコミの報道を確認した結果、現段階で決定している内容を、主にファイナンス面を中心に整理して記載する。

1.第三者割当増資 3888億円

(1)普通株式2888億円 (1株88円)

(2)C種優先株式1000億円(1株8800円)
  A)C種種類株式の剰余金の配当及び残余財産の分配は普通株式と同順位。
  B)C種種類株式に議決権はなく、譲渡制限が付与される。
  C)C種種類株式には、普通株式を対価とする取得条項が付される。

(3)本普通株式の第三者割当増資により鴻海はシャープの議決権の66%を取得。いずれも、有利発行であり、シャープの株主総会の特別決議が必要。

(4)払込期間は、平成 28 年6月 28 日(火)から平成 28 年10 月5日(水)まで。
2.保証金 1000億円

(1)既に3月31日に支払済みであるが、本第三者割当増資の実行の確実性を高めるため、締結する予定の株式引受契約において、1,000 億円のデポジットを提供する。

(2)本割当予定先が引受額を支払う義務を履行しなかった場合等には、当社が当該デポジットを予定損害賠償額として没収することが可能。当該デポジットが予定損害賠償額として没収されなかった場合には本第三者割当増資の払込金に充当されることがある。
3.銀行取引

(1)3月31日期日の融資5100億円の期限を4月末日まで延長。金利引き下げで年間72億円コストダウン。

(2)別途3000億円の融資枠を設定

(3)優先株の買い取り(詳細確認中)
4.株式引受契約について

(1)締結後2年間は、当社の事前の書面による同意なしに、当社株式を第三者に譲渡しないこと(なお、C種種類株式を子会社若しくは関連会社又は本割当予定先若しくはその関連会社の従業員に 譲渡する場合、当社は当該同意を不合理に拒否又は留保しないこと)

(2)株式引受契約において、シャープの責めに帰すべき事由により株式引受契約が終了した場合、又は本割当予定先の責めに帰すべき事由によらずして平成 28 年10 月5日までに本第三者割当増資の実行がなされない場合は、シャープはその事象の発生以降3か月間、鴻海精密工業対し、当社のディスプレイ事業を公正な価格で購入する権利を与えることに合意する。

(3)平成 28 年4月 15 日又は当事者間で別途合意した日までに鴻海より締役の指名がなされた場合には、取締役9名のうち6名以下又は取締役の総数の3分の2以下の人数を鴻海の指名に従い選任する。
5.資金使途について

(1)家電IoT400億円(2)液晶600億円(3)有機EL2000億円(詳細は割愛する)

基本的には、契約締結はしたが、「未だ払込みは確定していない」ことの問題を、声を大にして言いたい。論点は2つある。

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