天才パイプ作家ヨーン・ミッケの娘が、浅草の老舗喫煙具メーカーにやってきたのはなぜか?

島地勝彦×柘恭三郎&マレーネ・ミッケ【第1回】
島地 勝彦 プロフィール
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ヒノ さあ、ネスプレッソをどうぞ。

マレーネ ありがとうございます。

立木 お話し中悪いね、ちょっとカメラを見てちょうだい。はい、OK。

 天才ミッケの血を絶やさないでほしいとお母さんにお願いしたのが、マレーネがまだ20歳のころでしたかね。で、彼女が学校を卒業してから考えましょうということになって……。マレーネ、学校を卒業したのはいつだったっけ?

マレーネ 2014年の12月に卒業しました。

 そう、2014年12月に卒業して、2015年の2月にうちにきたんです。そこからパイプ作家になるための修業がはじまったわけです。いまはワーキングホリデーのビザを利用してうちで働きながら、日本をあちこち見物するということできてもらっています。

いま彼女にパイプ作りの基礎的な技術を教え込んでいる最中です。ちょうど1年間やって一応ワンクール終了したんですけど、この先はもっと難しい技術を憶えてもらおうと思っています。

シマジ どんなに才能がある人でもちゃんとした作品を1本作れるようになるには、3年くらいかかるものでしょうね。

 いやマレーネはやっぱり才能があります。絵も上手いんですよ。

シマジ やっぱりお父さんの血を引き継いでいるんでしょうね。お父さんは薬剤師になろうと大学まで行ったのにその道には進まず、パイプ作り一筋に生きた天才です。

 わたしは仕事柄、世界中のパイプ工房をみていますが、ミッケの工房に行ったときは驚きました。まるで病院みたいにチリ一つ落ちていないんです。だいたいパイプ工房というのは素材を研磨しますから粉がいっぱいでるんですよ。なのに隅々までピカピカでした。

もの凄く神経質な人なんだなという印象を受けました。芸術的なセンスも抜群でした。ミッケの場合、自分の作ったパイプを1本1本を全部スケッチして残しているんですよ。それもかなり細密に描かれています。

シマジ その原画はこれからマレーネがパイプを作って行く上で宝物になるでしょうね。

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