マイナンバー、早くも窮地に!
システム不具合で「ほとんど発行できてません」って…

カード発行に3時間待ちのケースも
こんな広報物を作る余裕があるなら、もっと手を打つべきところがあるはずだ(政府広報オンラインより)

IT産業アナリスト/佃均

制度開始からわずか3ヵ月で、早くもマイナンバーシステムのタガが緩んでいる。カードを発行すために必要なシステムの不具合により、マイナンバーカードの発行が大幅に滞っているのだ。

さらには、その応急措置として、市区町村職員がパスワードや暗証番号を預かるのを「可」とする通達を、総務省が市区町村に流したというから驚きだ。「カードの発行を迅速に進めるため」という理由だが、昨年12月には、堺市の課長補佐が全有権者68万人の個人情報を持ち出して外部に流出させたケースもある。

この通達が、3,000億円の税金をつぎ込んだシステムを崩壊させる「蟻の一穴」になりかねない。

交付目標を当初の4分の1に

システムがダウンしたのは、カードの発行が始まった1月に6回、2月に1回。動いていてもレスポンスが遅くなったり、10秒程度中断(フリーズ)したりすることが珍しくないという。住基ネットの中継サーバーが当初の想定性能を発揮していないためで、受付から交付まで3時間待ちというケースも起こっている。

このため総務省は、当初予定していた「2016年3月末までに1000万枚」の交付目標を、ほぼ4分の1の260万枚に引き下げた。

システムを運用している地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、中継サーバーを入れ替えるなどして処理能力を2倍に増強したが、トラブルは収まっていない。「全国の市区町村、住民の皆様にご迷惑をおかけして申し訳ない」と低姿勢ながら、原因については「鋭意調査中」と、何とも心もとない。