公明党・山口代表は安倍総理とホンネで話せないのか?~連立政権内部に生じる「すれ違い」
〔PHOTO〕gettyimages

衆参同日選の観測が広がり、永田町が浮き足立っている。

公明党幹部は「パーティーに出席すると、自民党議員から『選挙になったら、よろしくお願いします』と声を掛けられることが多くなった」と言う。確かにポスターを張り替える議員が増えている。

だからといって、選挙事務所を構えたという議員にはお目にかかっていない。事務所を借りると、月数十万円の出費を強いられるため慎重になっている。つまり、まだ半信半疑の状態と言える。

そんな中で、同日選があるという観測に拍車を掛けているのが、同日選に反対しているはずの公明党の代表・山口那津男の発言だった。

自公幹部の山口への苛立ち

山口は先月30日昼、首相・安倍晋三と官邸南庭で花見をし、上機嫌で「風雪に 耐えて気高き 花の色」との句を披露した。その後、約50分間、安倍と昼食をともにしながら会談した。

問題発言は会談後、記者団とのぶら下がりインタビューで飛び出した。

記者団:「代表は3点を挙げて望ましくないという認識を示されているが、話したのか?」

山口:「まずはやっぱり総理の専権事項なので総理の決めることに、とやかく申し上げないという一点、それから総理が決断されれば与党としてはそれを受けて対応するという点、また一般論としては3点、いつも申し上げていることを総理に伝えた。(3点は具体的に言ったか?)いつも言ってることなので総理は分かっているから、くどくどとは申し上げなかった」

この発言を各紙は同31日朝刊で次の見出しを掲げて報じた。

「山口代表、首相に理解」(朝日)、「首相判断尊重」(毎日)、「同日選『首相判断を尊重』」(読売)、「同日選『決断なら対応』」(日経)、「公明代表、首相に“容認”伝達」(産経)

「理解、容認」ととらえたのは朝日と産経。読売、毎日は「尊重」という表現にとどめているが、公明党が同日選を認めたかのような印象を与えたことは否めない。

この原因は山口の発言ぶりにある。山口は安倍が決断すれば従うことを強調し、同日選に関する「公明党3原則」の説明を省いた。3原則は翌31日の記者会見で中央幹事会長・漆原良夫が改めて説明している。

①憲法の2院制の在り方からしていかがなものか
②「風」によって衆参が同じように振れるリスクが大きい
③国民に大きな負担を負わせることになる

漆原は「従って好ましくない」と断じている。山口がこの3原則をきちんと説明していれば、受け止め方は変わっていただろう。

山口の発言は切れ味が鋭く、分かりやすい。だから、創価学会婦人部の受けが非常に良い。だが、分かりやすさのゆえに時々、副作用をもたらす。

最近の例を挙げれば、衆院選挙制度改革をめぐる発言だ。山口は2月23日の記者会見で「多くの政党の合意形成を図るのが大島理森衆院議長の方針だ。自公だけで協議するのは議長の方針にそぐわない」と述べた。自公協議を拒否するような発言に、自民党幹部はいら立った。

これらの発言に、公明党幹部は山口に再三再四、「発言する際は丸くしてほしい」と頼んでいる。また、創価学会幹部も「政治家の言葉は3つぐらいに解釈できるようにしないといけない。それなのに山口代表は……」と眉を曇らす。しかし、山口の発言ぶりは変わらない。

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