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「米軍撤退」「核保有容認」トランプ発言によって、安保反対論者は致命的なまでに追い詰められた
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「トランプ勝利の可能性5割超」の理由

3月31、4月1日ワシントンで第4回核安全保障サミットが開かれた。安倍首相、習・中国国家主席、朴・韓国大統領、キャメロン・英首相、オランド・仏大統領らも出席した。当然北朝鮮問題も話し合われた。ただ、インパクトはいまいちだった。それは、米大統領選挙の候補者に過ぎないドナルド・トランプ氏の発言が、世界を動揺させていたからだ。

核安全保障サミットの直前の3月29日、トランプ氏は日韓の核を容認する発言を繰り出したことはご承知の通り。実際の発言は、「ある時点で、われわれは『日本は北朝鮮の凶暴な指導者に対して自国で防衛したほうがいいし、韓国も率直に言って自衛し始めたほうがいい』と言わざるを得ない」というもので、将来の「ある時点」を具体的に言わない限り、意味がある発言とはいえない。

まして、トランプ氏は核拡散を否定しているので、直ちに日韓の核保有を容認するという話でもない。ただし、核安全保障サミットの日程に合わせた、絶妙な言い方ではあった。

歴代の米大統領は、同盟国の核開発を容認するより米国の「核の傘」で守るほうが米国の国益になっているという方針を堅持してきた。トランプ氏はその米国安全保障を一変させるかもしれない。それは、「米国が日本を必ず守ってくれる」という、日本の平和ボケ的発想を考え直すいい機会にはなるだろう。

米大統領選の共和党候補者選びで、トランプ氏が大躍進している。筆者は、朝日放送の『正義のミカタ』に出演しているが、この番組は国際情勢の話を扱うことが多い。米大統領に誰がなるか、どのくらいの確率かを各出演者に聞く企画が時々ある(放映されない場合もある)。

その中で、筆者はかなり前にトランプ氏が大統領になる確率を50%超としていた。もちろん、そうあってほしいという願望ではなく、好き嫌い抜きに客観的にみているだけだ。

今の時点ではあくまで共和党の候補になるかもしれないとの段階であるが、トランプ氏の勢いは侮れない。共和党候補になっても、大統領は無理という意見も多い。ただ、トランプ対ヒラリーとなった場合、ヒラリー氏は選挙資金を手広く集めているので、過去にトランプ氏にも選挙資金を無心していた可能性がある。

もしそれが本当で、「メール」のように証拠のある形で暴露されたら、例のメール事件を彷彿させて、ヒラリー氏は負けてしまうだろう。