世界の株式市場の復調は「本物」か?
【PHOTO】gettyimages

中国経済は回復基調だが…

年初来、不安定な展開を続けていた世界の株式市場は、ここにきて少しずつ安定した展開を示している。特に、2月半ば以降、米国の株式市場の上昇が顕著だ。中国の株式市場も、上海総合株価指数が節目の3,000ポイントを超えるなど、多くの投資家が徐々にリスクテイクに前向きになっているようだ。

その背景には、米国経済が予想以上に健闘していることや、中国経済の回復に目途が立ち始めていることがある。それに加えて、景気の先行きに悲観的だった投機筋が、売り持ちポジション=ショートポジションの買い戻していることがある。その意味では、投資資金の動きに支えられた一時的反発と言える。

そこに米国での低金利期待が加わり、多くの投資家が市場の流れに乗り始めている。

一方で、世界経済の先行きは依然として不透明な部分は多い。

年初来の金融市場を振り返ると、2月半ばまでは多くの投資家がリスク回避に動いた。その後、少しずつリスクテイクの方向に進んでいる。一方、実体経済に目を向けると、依然として不透明な要素が残っている。例えば、FRBの関係者は、ここへ来て先行きへの慎重さを強めている。

その中で、世界的に株価は上昇している。これは年初から2月中旬まで売り一辺倒だった世界の投資資金の流れ=マネーフローが変化したことに支えられている。そこに、米国での低金利継続への期待が加わり、多くの投資家のリスク許容度が回復している、ということだ。

それでも経済の基礎的条件=ファンダメンタルズを見ると、あまり強気にはなれない。株価は昨年夏場までのようには上昇しづらくなっていると見るべきだ。市場予想では米国の1~3月期決算の一株利益は前年同期に比べ7%程度落ち込むと予想されている。これは前期よりも悪く、企業経営に対する逆風は高まっている。

その他の市場を見ると、アジアを中心に新興国の株式、通貨、債券価格は上昇している。気になることは、成長のドライバーである輸出が落ち込んでいるにもかかわらず、市場が強気になっていることだ。マネーフローの変化がリスクテイクを喚起し、それが市場全体に伝播した影響は大きい。

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