ゴルフ
マキロイとJ・デイの共通点〜悲願の「マスターズ優勝」なるか
いよいよ開幕目前!
デル・マッチプレー選手権の準決勝で対戦したマキロイとデイ 〔PHOTO〕gettyimages

文/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

先週のデル・マッチプレー選手権の最終日にローリー・マキロイとジェイソン・デイが対決した準決勝マッチは、とても興味深い顔合わせだった。

2人は、育った環境が大きく異なるものの、いろんな意味で共通点を持つ“似た者どうし”だ。マスターズを目前に控えた今、そんな2人をあらためて見つめ直してみよう。

似た者どうしのマキロイとデイ

北アイルランド出身のマキロイは26歳。オーストラリア出身のデイは28歳。どちらも20代後半の若さだが、達成してきた戦績を眺めれば、どちらもすでにベテランの域だ。

マキロイもデイもメジャーチャンプ。とはいえ、マキロイはメジャー4勝、デイはまだ1勝。メジャー勝利数にこそ差はあるが、デイの1勝は昨夏の全米プロで挙げたもの。最も最近、メジャー優勝を飾ったという「旬」の度合いではデイに軍配が上がる。

どちらも屈指のロングヒッター。米ツアーの平均飛距離ランキングにおいてはマキロイが309.0Yで7位、デイが304.1Yで21位と数字上は少々差が出ているが、悠々300Yを越えるドライバーショットが大いなる武器になっている点は共通項だ。

その300Yドライブを生み出すスイングは、まさに瓜二つ。直接対決となったマッチプレー準決勝のTV中継でも2人のスイングをスローモーションで何度も比較していたが、上体の捻り方も下半身の使い方もクラブや腕の動かし方も、そっくりだ。

そして、パワフルなドライビングを生み出す肉体には、どちらも悩みが付きまとっている。

キャデラック選手権では惜しくも優勝を逃したマキロイ〔PHOTO〕Sonoko Funakoshi

マキロイは昨夏に友人とサッカーに興じていて左足首を痛め、直後の全英オープンなど数試合を諦めざるを得なくなった。あの出来事によって、マキロイは単に数試合の欠場を余儀なくされたばかりでなく、せっかく掴んでいた好調の流れを自ら絶ち切る結果になってしまった。

その後のマキロイは必死のリハビリとそれまで以上の筋トレに励み、今年は筋肉隆々の肉体で戦っている。だが、筋肉隆々になって以来、勝利がないせいで、筋トレの是非、つまりは肉体改造や調整の失敗が取り沙汰されている。

デイは昨夏の全米オープンで持病のめまいを発症し、ふらふらしながら優勝争いを戦い、勝利を逃した。過去には足の指の付け根を痛めてマスターズを途中棄権したこともあったし、初優勝したバイロン・ネルソン選手権の際には、実はひどいアレルギー性鼻炎に苦しみ、棄権ぎりぎりの状態でプレーを続け、どうにか逃げ切り優勝となった。

そして今年、ディフェンディングチャンピオンとして迎えたファーマーズ・インシュアランスオープンでは体調不良で予選落ち。マッチプレーの初日には激しい腰痛を訴え、一時はプレー続行はおろか、来たるマスターズ出場も危ぶまれたほどだった。

それでもデイは、どうにか事態を切り抜け、マッチプレー選手権で勝利を挙げて世界ランキング1位へ返り咲いた。マキロイはマッチプレー準決勝でデイに破れたとはいえ、世界のトップ3を維持し続けている。

「僕らツアープロは誰もが何かしらの故障を抱えている。その中で、その故障と付き合いながら戦っているんだ」(デイ)

その通り、病気や故障は誰にでも起こりうる。しかし、デイはその頻度がやや高めであることは事実。大事な試合に向けて肉体を最高の状態へ持っていくことがアスリートに求められる調整であるという意味では、マキロイは昨夏、そこで大きな失敗をおかしたことも事実だ。

そう考えると、マキロイにとってもデイにとっても、来週開幕のマスターズに向けた一番の課題は「肉体調整」と言えるだろう。

マッチプレー選手権を制し、ランキングトップに返り咲いたデイ〔PHOTO〕Sonoko Funakoshi
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