テロ 国家・民族 ベルギー
EUで進む「テロリスト狩り」
〜ベルギー政府の失策とISネットワークの緻密さが次々判明

レポーターの後ろの建物の最上階に爆弾製造所が見つかった 〔PHOTO〕gettyimages

テロリストの「隠れ家」を摘発

3月22日のブリュッセルのテロ以来、EUでは大掛かりな「テロリスト狩り」が続いている。その結果、数日のあいだに、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イタリアで、容疑者が芋づる式に検挙された。

しかも、ベルギーで摘発された隠れ家では、5キロのTATP(過酸化アセトン)、150リットルのアセトン、起爆装置やら大量の釘やらが見つかったという。TATPは早い話が高性能の爆薬。アセトンは、それを作るために用いられる有毒な液体。釘はもちろん、爆発で飛ばして人を殺傷する武器となる。

この隠れ家、兼爆弾製造所がみつかった最初のきっかけは、タクシーの運転手の証言だった。

ベルギーのテロのあと、当局が公表した空港の監視カメラには、3人の男が写っている。3人が横並びになって、スーツケースを乗せたカートをのんきに押している写真だ。

逃亡した帽子の男〔PHOTO〕gettyimages

そのうちの2人は、その後まもなくテロで自爆したが、白いジャケットを着て帽子を目深にかぶった男が逃走した。そこで警察はこの写真を公開し、EU市民の協力を得ようとしたわけだ。

すると、タクシーの運転手がこの3人のことを思い出した。朝、テロ現場となったブリュッセル国際空港に運んだという。その証言をたどって、隠れ家が見つかるまでは早かった。普通のアパートの一室に、一つ間違うと、隣人もろとも吹っ飛んでしまうほどの化学物質が置かれていた。

しかし、これが見つかったからといって、事件が解決したわけではない。問題は、他にいくつ、こういう部屋があるのかということだ。