金融・投資・マーケット
この「円高」局面はいつまで続くのか?
~マイナス金利は円安に働くはずなのに…

写真は2月8日のドル=円レート 〔PHOTO〕gettyimages

ドル円レートの「経験則」

1月29日に日本銀行がマイナス金利政策を導入して以来、円高が進行している。

例えば、今年1月までのドル円レートは、概ね1ドル=120円弱で推移していたが、マイナス金利導入後の2月以降、1ドル=115円台を割り込み、一時は1ドル=110円割れをうかがう展開となった。

現在は1ドル=112円台半ばまに戻しているが、3月26日のイエレンFRB議長のハト派的発言(さらなる利上げは慎重に行う旨の発言)もあり、再び円高圧力が高まっているようにもみえる。

ところで、多くのエコノミストや為替アナリストが為替レートの行方を考える際には、内外金利差が用いられる。具体的にいうと、ドル円レートの場合、日米金利差が開くと(すなわち、円金利がドル金利と比較してより大きく上昇した場合)、ドル円レートは円高で推移するという「経験則」を当てはめて考えることが多いように思われる。

このロジックに基づくと、日本銀行によるマイナス金利導入は、もう下がる余地がないと思われていた日本の金利がさらに下がる可能性を高めるため、円安をもたらすはずである。現に日本の金利はほぼ一様に低下している。

だが、ここまでのところ、現実は想定と全く逆の結果となっている。

そこで、先にマイナス金利を導入しているスウェーデン、デンマーク、スイス、ユーロ圏の事例をみると、日本円とは異なり、ほぼ、この「経験則」が想定する通りの為替レート変動が実現している。すなわち、マイナス金利政策の導入は、自国通貨安をもたらしている。

これを踏まえると、マーケットが落ち着きを取り戻せば、やがて、ドル円レートも金利差の動きに素直に反応して、再び円安に転じる局面が来ると考えることも可能であるかもしれない。