『いつ恋』大評判、低迷フジに復活の兆し
〜連ドラ“勝利の方程式”を捨てた勇気

〔PHOTO〕gettyimages

転落の原因は何だったのか?

フジテレビの低迷に歯止めがかかったような気がする。最近、酒席を伴にした他局のテレビマンも「フジに変化が見える」と語っていた。改革に本腰を入れているのだろう。今後は徐々に上昇に転じるのではないか。

視聴率と営業成績が著しく悪かったのは昨年だったものの、真の意味でのフジの“底”は2013年だったと思う。50代になったW浅野が主演したスペシャルドラマ『抱きしめたい!Forever』を放送した年である。

同作の連続ドラマ版が大ヒットしたのは1988年。放送から25年も過ぎた連ドラの続編をわざわざ放送したのには驚いた。しかも作風は昔のまま。フジが自分たちにとって良かった時代を懐かしむために制作したようにしか見えなかった。

このドラマの放送についてはフジ内部からも批判の声が上がっていた。それは上層部も知っていたはず。部長クラスの社員から「フジテレビ改造計画を記事にしてよ」と、自虐的なジョークを言われたのはほぼ同時期だった。こういった作品が企画され、その企画を上層部が通してしまったところに、フジ転落の理由が集約されていたと思う。

かつてフジが強かったのは、常に新しいことに挑み、「アンチ権威」だったからであるはず。「破壊者」だったフジが、昔を懐かしみ、保守的な作品をつくってしまったら、視聴者離れが起きても仕方がない。

フジが快進撃を続けていたころは、若手制作者が先輩制作者の作風を遠慮なく否定した。下克上的な振る舞いが許されるような組織だったから、テレビ界の破壊者に成り得たのだろう。『抱きしめたい!Forever』の制作はそんな良き伝統と逆行すると言わざるを得なかった。

2011年に起きた「フジテレビ騒動」の背景も同じだろう。破壊者であるはずなのに、ローコストで一定の視聴率が見込めるからといって、韓流ドラマを流したのだから、視聴者の反発を招いても仕方がない。一連の騒動は韓流が嫌われたから起きたのではなく、フジらしくない編成が視聴者の怒りを買ったのだと思う。そうでないと説明がつかない。韓流ドラマは日本テレビもTBSも流していたのだから。

騒動が起きたからフジが弱くなったと指摘する声もあるが、それは違うと思う。フジが変質したので騒動は起こり、視聴率も落ちたのだと筆者は考えている。フジが破壊者であり続けていたら、騒動は起こり得なかっただろうし、視聴率低迷もなかったはずだ。

フジテレビ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』HPより
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