賢者の知恵
2016年03月24日(木) 池谷裕二

「失敗は成功のもと」は科学的に正しかった!~脳研究者・池谷先生の新たな発見

upperline
【PHOTO】gettyimages

発売即重版、その後も売れ行き絶好調の『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』。その著者である池谷裕二先生(東京大学大学院薬学系研究科教授)が先日、最新の研究成果を発表されました。

その発表によると、「失敗は成功のもと」という格言を裏づける科学的な結果が出たというのです。いったいどんな研究なのでしょうか? 池谷先生にうかがいました。

トレーニングの初期が重要

――先生は今回、どのような研究をされたのですか?

池谷 14匹のマウスに、迷路を解かせる実験をしました。スタートからエサのあるゴールまで7つの経路がある迷路で、マウスがどの経路を選ぶかを調べたのです(図1)。

その結果、すべてのマウスが最短経路(図1の赤線)を見つけることができたのですが、最短経路を見つけるまでにかかったトレーニングの日数は、3~18日とマウスによって差がありました。

実際にマウスを迷路に置いたときの動画が、こちら(下)です。トレーニング1日目のマウスは、いろいろな道を通って、行ったりきたりしながら、ようやくゴールにたどり着いています。

このマウスのトレーニング11日目の動画が、こちら(下)です。最短経路を通ってあっという間にゴールにたどり着きました。

――最短経路を見つけるのがはやいマウスと遅いマウスとでは、どのような違いがあったのでしょうか?

池谷 解析すると、トレーニングの初期に、エサのない行き止まりの道に入ってしまったり、何度も同じ道を通ってしまったりというエラーが多かったマウスほど、よりはやく最短経路を見つけることができました。

次ページ なぜ失敗すればするほどいいのか…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事