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『あさが来た』の脚本家・大森美香が舞台裏をすべて明かす!
~残り1週だから、話せることがある

156回という長丁場なのに、最後の最後まで視聴率の落ちない『あさが来た』。なぜこんなに面白いのか、と気鋭の脚本家に率直に訊ねると、意外な裏話が続々登場。読めばますます楽しみになる。

玉木宏を選んだ理由

朝ドラは『風のハルカ』('05年)に続き2回目〔PHOTO〕NHKホームページより(以下同)

「『あさが来た』の原案本である『小説土佐堀川』(著者・古川智映子)を読み、あさのモデル・広岡浅子を自分なりに描いてみたいと思いました。でも、よく考えると、最初の舞台は江戸時代。朝から気持ちよく観ていただくためには、まるで現代劇を観ているかのような、役者さんの自然な佇まいが大前提でした。

あさ役のオーディションは、みなさん始めから着物を着て、髪を結って挑んでいただきました。波瑠さんは自然で爽やかで、一目見てあさにぴったりだな、と。おでこを出した髪型が本当にお似合いでしたし」

4月2日の最終回に向け佳境に入る連続テレビ小説『あさが来た』は、週間平均視聴率24・2%と最後まで好調が続いている。クランクアップを迎えた脚本家・大森美香氏はこう話す。

「さらなる課題だったのが、あさの旦那さん・新次郎でした。江戸時代ですから、もちろんちょんまげです。朝ドラの見所のひとつは、ヒロインの相手役ですが、果たして視聴者の女性は、ちょんまげ男にうっとりしてくれるだろうか……。

そのうえ、新次郎は趣味に興じてばかり。家業の両替商・加野屋が没落しそうなのにもかかわらず、奥さんに任せっぱなしという人物ですから、下手すると、嫌われてしまうのではないかという恐れもありました。

そんな時に、玉木宏さんの顔が浮かんだんです。私が担当した2014年の正月時代劇『桜ほうさら』(NHK)に主演していただき、ちょんまげ姿がとても素敵だった。新次郎に一番大事なものは品と粋ですので、所作の美しい玉木さんなら体現できると確信しました。プロデューサーやスタッフの方々と相談し、ぜひ玉木さんにお願いしようということになりました」

その確信は当たり、玉木宏の演じる新次郎は、『あさが来た』ブームの立て役者の一人となる。ドラマ序盤ではちゃらんぽらんなだけに見えたが、徐々にあさを見守る夫として成長し、二人三脚で歩んでゆく。新次郎の人気は始めから期待していたというが、予想外の人気を得た登場人物もいた。