社会保障・雇用・労働
「保育園落ちた日本死ね」待機児童問題を解決する、ある大胆な提案
【PHOTO】gettyimages

保育士はどれだけ「苦しい」のか

「保育園落ちた日本死ね」と書かれた匿名のブログが話題となり、待機児童問題が政局がらみで取り上げられ、国会でも議論になっている。

保育園に子供を預けられない人が多い背景には保育士不足があり、保育士の待遇改善が必要だとの指摘もある。そこで、民主党と維新の党は、保育士の給与を5万円アップさせる法案を提出するという。その財源は、公共事業の削減などで確保するという。

まず、現状を整理しておこう。

話題になっている保育士の給与だが、厚労省の平成27年賃金構造基本統計によれば、決まって支給する現金給与額の男女平均でみると、全産業では勤続12.1年で33.3万円(平均42.3歳)、保育士では勤続7.6年で21.9万円(平均35歳)となっている。

年齢差や勤続差を考慮する必要があるが、保育士の給与がそれほど高くないのは事実だろう。もっとも、この格差は欧米にも見られるが。

次に、保育士の労働市場を見ておこう。

保育士の有効求人倍率は、5月から12月に上昇し、その後は低下するという季節性がはっきりしている。これは、保育所が規制対象になっているため、その許認可サイクルによるモノであろう。ただし、地域によって有効求人倍率が大きく異なっているため、地域偏在が見られる。もっとも、傾向としては、有効求人倍率は各地で上昇傾向になっている。

次に、全国の待機児童数の推移を見ておこう。2008年4月に19550人であったが、その後上昇し、2010年4月に26275人。その後徐々に低下し、2014年4月に21371人となり、翌2015年4月には再び上昇し、23167人となっている。

地域分布を見ると、東京に半数近くが集中しており、まさに都市問題の典型である。

東京23区で見ると、23区の特定区に待機児童問題が集中している。待機児童の就学前児童に対する比率でみると、世田谷区2.73%、渋谷区2.62%、目黒区2.34%と高く、一方、千代田区は0%、杉並区0.18%、港区は0.22%と低い。これらの自治体では、待機児童の多くは0~2歳だ。

東京23区の外の横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市になると待機児童数はかなり減る。逆に23区の中心区でも、待機児童数はかなり減少する。

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