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シャラポワはなぜ禁止薬物「メルドニウム」をやめられなかったのか?

~ロシアを出て、ロシアに沈む~

2016年03月19日(土) 白戸太朗,スポーツコミュニケーションズ
〔PHOTO〕gettyimages

やはり違反は違反

テニス界の女王、マリア・シャラポワがドーピング違反で物議を醸している。

あの美貌とガッツ溢れるプレイスタイルのギャップもあり、実力はもちろん人気も抜群のシャラポワ。その彼女のスキャンダルとあって、普段はドーピングに縁のない普通の人々まで興味を示している。

それゆえ彼女に同情的なコメントもあるものの、実際はどうなのか? まだまだ分からない部分はあるが、現在で分かる範囲の情報で考えてみたい。

まず彼女が使っていた「メルドニウム」という薬。一般的に抗虚血薬で、ロシアなどでは薬局でも買えるくらい一般的だ。もともとはアフガニスタンへ派遣された旧ソ連の兵士が、持久力向上のために使用していたことで知られており、その効果は周知の事実である。ロシアの選手を中心にかなり広く使われていた。

WADA(世界アンチ・ドーピング機構)で禁止薬物となったのは今年からなので、昨年までの使用は問われない。しかし、今年からは違反薬物なので、それ以降に使用した選手は違反となる。WADAの発表では、1月からロシア人を中心にすでに99件の違反者が出ているという。

サイクルロードレースの世界でも2月5日、エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)のサンプルから禁止薬物メルドニウムの陽性反応が検出され話題となった。薬物に詳しいドクターによると、メルドニウムはロシアの選手の間ではサプリメント程度の認識で服用されていたらしい。使用者はそこから抜け出せなかったということなのだろう。

ただ、多少同情するところもある。選手であるなら強くなるために練習や食事、生活すべてに情熱を傾けるのが当然だ。その一環でサプリメントなどを取り入れることもあるだろう。そして、一般薬局で普通に売っている薬を「パフォーマンスが向上するから」と使うことは不思議なことではない。

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