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ほめられたら要注意!? 京都人の「ウラとオモテ」を楽しむ

世界の中心は「京都御所」
週刊現代 プロフィール

では、もう一段階範囲を広げて、彼に「一緒にされたくない」と言われた京都市のお隣・亀岡市民にもご登場いただこう。同市在住の40代男性はこう述べた。

「確かに、私は京都市内に勤めているので、市内で亀岡出身だと言うと『遠いとこからよう来てはるなあ』と言われることがありますね。京都市以外の京都府民は、同じような扱いをされてると思います。

でも、これは亀岡に限らないと思いますが、非・京都市民の京都府民も、関西の他の県に対しては優越感を持っている。『大阪はゴチャゴチャうるさいとこ』『兵庫はただの田舎。神戸だけは、まあ認めたげよか』『滋賀? ゲジゲジみたいな字ぃの県な』という感じですね。

滋賀県民を面と向かってバカにすると、必ず『京都人は誰のおかげで生きてると思っとるんや。琵琶湖の水、止めたるぞ』と凄まれます。もっとも、亀岡の水源は琵琶湖ではなくて自前ですが」

なんといっても、京都は「世が世なら日本の首都だった」街。それどころか、内心は「今でも、真の首都は東京ではなく京都」と思っている京都人も決して少なくはない。

2月末に方針が固まった文化庁の京都移転など、彼らに言わせれば「人と博物館が多いだけで歴史の浅い東京が、今更『本家』にお返ししようやなんて、100年遅いんやないの」といったところだ。

ほめられたら要注意

京都人の内面を考えるうえで、もうひとつ絶対に欠かすことができない要素が、冒頭でも触れた「いけず」である。

これまた非・関西人にとっては、あまりピンと来ない言葉かもしれない。辞書を引くと、「(関西方言)意地が悪いこと・人。ずうずうしいこと・人」(講談社国語辞典)とある。ただ、厳密に言えば、この説明はちょっとニュアンスが違う。

洛中に残る唯一の日本酒蔵元・佐々木酒造の佐々木晃社長が言う。ちなみに、氏は俳優・佐々木蔵之介の弟でもある。

「たとえばお隣のピアノの音がうるさいと思っても、『うるさい』とは言わずに『お上手ですなあ』と言ったり、強引な営業マンが来ても、直接『イヤだ』とは言わずに『お元気な人ですなあ』と言ったりすることはあるでしょうね」