丸山ゴンザレス・アテネ訪問記【後編】難民が集う公園は「ドラッグ無法地帯」と化していた

シリア難民を取材するため、昨年12月にギリシャへと渡った丸山ゴンザレス。その首都・アテネでドイツ行きのバスを待つ男性たちは、時間つぶしに市内のレッド・ライト(売春宿)をうろつき歩いていた。ギリシャに押し寄せる難民の数と、売春宿のあまりの低価格にギリシャのいまを見た丸山ゴンザレスは、難民たちの待機場所になっているという公園を目指す――。(前編はこちらから

公園に集まる薬物中毒者たち

アテネで難民取材を開始した私は、町の北部にあるヴィクトリア駅でレッド・ライト地区を巡った。

いかがわしい場所は治安が悪い、というのが一般的なイメージだろうが、私の個人的な見解では、そうとも限らない。というのも、管理売春が行われる場所には、そこを掌握しているギャングのような連中が目を光らせているため、トラブルは起きないし、何か起きたとしても連中が片付けてくれるからだ。

それでも、アテネのレッドライト地帯は、メインの通りを一本裏に入るだけで、荒廃した雰囲気が漂うようなところだった。経済破綻の影響は、レッド・ライトにも届いていた、ということだ。一回10ユーロという売春の値段を見ればそれは明らかだ。

さらに町のいたるところで目にしたのが、ドラッグに手を出している人たち。路上で注射器を腕に刺し、シンナーを吸引している。酩酊してそのまま突っ伏しているが誰も助けようとはしない。

地獄のような状況だが、それでも「腐ってもEU加盟国」。戦火に追われてきたシリア難民たちにしてみれば天国なのだろう。実際、2015年だけで84万人の難民があらゆる手段を用いてギリシャに流入し、ドイツを目指した。

アテネ市内のレッド・ライトエリアの近くに公園がある。欧州諸国への移動手段が確立されていなかった昨年夏頃には、そこで多くの難民がキャンプをしていた。そのことを伝えるニュース映像が記憶にあったので、公園を目指して行くことにした。