不正・事件・犯罪 裏社会
6代目山口組と神戸山口組は、本当に「抗争」に突入したのか?~警察庁の「抗争認定」に残る疑問
〔PHOTO〕gettyimages

「タマ(命)」を取るような本格抗争は望んでいない

「音を鳴らすな!」の禁が破られた。

2月23日、6代目山口組2代目中西組の組員が、神戸山口組正木組の本部事務所(福井県敦賀市)を銃撃した。正木年男組長は、神戸山口組で本部長を務める大物。午前9時55分、福井県警が24時間体制で警戒に当たっている事務所への発砲は、デモンストレーションの意味合いがあり、現行犯逮捕された山本敏行組員(38)は、「犯行声明」を警察などに送っていた。

<怪我人を出すつもりもその組の人達になんの怨み>もなく、<個人の願いと警告を込めた行動>と書かれていたが、これを機に小競り合いと発砲事件が全国で発生した。

それをマスコミは、連日のように報道、警察庁は座視できなくなり、3月7日、6代目山口組とそこから分裂した神戸山口組が抗争状態にあると認定、「対立抗争集中取締本部」を設置した。

確かに、小競り合いが暴発、拳銃を使った本気の抗争事件に発展する危険性はある。そうなると、「返し」がヤクザの行動原理。血を血で洗う30年前の「山一抗争」のような無益な戦いとなる可能性がある。

そうならないようにという警告を込めて、マスコミが警鐘を鳴らし、警察が対策本部を設置するのもわかるが、その行方を展望する時、法整備が進められたことによって、暴力団トップが、動くに動けない状況にあることを確認しておかねばならない。

警察が本腰を入れたのは、発砲事件の前の2月15日、新宿・歌舞伎町で行われた神戸山口組の集会を6代目山口組が阻止しようと白昼の集団暴行劇を演じたことが大きい。この後、首都圏の神奈川県厚木市、埼玉県八潮市、東京都足立区、茨城県水戸市と、両団体双方の事務所や幹部宅が襲撃された。

特に、3月5日、トラックに突っ込まれ、翌日には銃弾が打ち込まれた水戸市の神戸山口組4代目山健組邦将会の事務所は、隣接といっていい場所に小学校があり、「このまま放置していいのか」という住民の怒りにつながった。

抗争認定も無理はないが、6代目山口組の司忍組長、神戸山口組の井上邦雄組長の両トップは、発砲はもちろん「タマ(命)」を取るような本格抗争を望んでいない。

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