佐藤優が斬る! もしトランプが大統領になったら、世界はこう変わる

2016年03月11日(金)
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アメリカの立ち位置が180度変わる

邦丸:現在は民主党、共和党それぞれの指名候補争いをしているわけですね。民主党は、バーニー・サンダースはお終いか、やはりヒラリー・クリントンかと言われています。共和党の指名候補では、トランプの勢いが強い。

7月にそれぞれが決着しますが、仮に共和党の指名候補がトランプになった場合、ヒラリー・クリントンはおそらく指名はされるだろうけれど、今はもうバーニー・サンダースよりもトランプへの攻撃が始まっているということは、そうとう危機感を感じているということですか。

佐藤:その通りだと思います。要するに、既得権益を全部ひっくり返されるという話ですから。それと同時に、国際政治も変えてしまいます。

要するに、トランプはアメリカ孤立主義者なんですよ。激しいことを言うんだけれども、「ルーズベルト大統領が真珠湾奇襲の後、第2次世界大戦に突入したのが間違いだった。ナチスが台頭していようが、日本が出てこようが、放っておけばよかった。アメリカはアメリカの繁栄だけを考えていればよかった。もっとアメリカを豊かにしよう。偉大なアメリカにしよう。アメリカ人の生活さえ良くなればいいんだ。あとは知ったことじゃない」という理屈です。

アメリカが石油を手に入れるのであれば、「アメリカのそばにあるベネズエラが生意気だ。少しシメて、あそこから石油をとってくるか」と、こういう感じですよ。

だから、意外と平和外交になる。

邦丸:平和外交!

佐藤:だから、中国もロシアも大歓迎。

邦丸:アメリカが出てこなくなるわけですものね。

佐藤:「金持ちケンカせず」ということです。トランプビルを中国に造るといったら、習近平も「いいヤツじゃないか」となる。

だから、世界秩序を全部、ひっくり返す。日本との関係も、まさに昔、鳩山由紀夫さんが言っていた「駐留なき安保」になる可能性もある。要するに、米軍が全部、退いちゃうんです。

「なんで、オレたちがあいつらのことを命を懸けて護らなきゃいけないの。自分の身を護りたいのなら、勝手に護ったら。アメリカにとって有害だということだったら出て行くけれど、アメリカ本土やグアムにいるよ」という感じになりますよ。

「TPPもやめる。日本のクルマにも家電にも思い切り関税をかけてやる。アメリカだけ良ければいいんだ。悔しければ、力をつけろ」と。こういう方針ですよ。だから、アメリカ人は拍手喝采なんですよ。

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