経済・財政
安倍政権の命運は「3月末の日経平均株価」が握っている……なぜか?
1万6000円を下回ったらアウト!?
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過去最大の損失?

年初からの大幅な株安で2月12日に1万4865円を付けた日経平均株価は、3月に入って1万7000円を回復した。1万5000円を割り込んだ頃にはマーケットは弱気が支配し、総悲観の状態だったが、気が付いてみれば2000円以上上げた。

今年は大幅な相場の乱高下が避けられないと予想する向きが多かったが、1日で1000円近く動いてもまったく不思議ではない相場展開になっている。

そんな中で、3月末の株価がいくらになるかに、俄然、注目が集まっている。国民の年金資産を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)の運用利回りに直結するからだ。

GPIFは昨年7~9月期に7兆8899億円という過去最大の損失を記録した。「年金が減額されるのではないか」「国民の財産をリスクにさらすな」といった怨嗟の声が上がったのは記憶に新しい。運用先を債券中心から株式に大きくシフトした矢先に世界的な株安が襲ったことが、損失を大きくした。

今年1月に入って株価が急落すると、GPIFの運用損はさらに膨らんでいるとして、国会でも取り上げられた。株式にシフトした安倍内閣の責任を問う声が強まり、安倍晋三首相は繰り返し答弁に立たされた。

そのGPIFが3月1日に発表した昨年10~12月期の運用成績は、4兆7302億円のプラスだった。足元の相場は大きく崩れているものの、昨年12月末の日経平均株価は1万9033円と、その3カ月前の9月末の1万7388円に比べて9.5%も上昇していたからだ。

GPIFの運用問題を追及する野党からすれば、ここで数兆円の損失という数字が公表されれば、やりやすかったものの、タイミング悪く「良い数字」が発表されたわけだ。

GPIFの運用結果は3ヵ月ごとに公表されるが、集計に約2ヵ月かかっている。次回のデータは1~3月期の運用成績が5月末に公表されることになっている。同時に2015年度の年間成績も明らかになる。

問題はその時にどれぐらいの運用損が出るか、だ。

年金で再び巨額の損失が発生したとなれば、7月の参議院選挙に向けて野党に格好の攻撃材料を与えることになる。それだけに3月末の日経平均株価がいくらで終わるかが、重要な意味を持ってくる。