賢者の知恵
2016年03月10日(木) 黒川 清

福島原発「国会事故調」元委員長の告発!
「日本の中枢は、いまなおメルトダウンを続けている」

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〔PHOTO〕gettyimages

国会事故調委員長としての偽らざる思い

志が低く、責任感がない。
自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。
普段は威張っているのに、困難に遭うと我が身かわいさからすぐ逃げる。

これが日本の中枢にいる「リーダーたち」だ。

政治、行政、銀行、大企業、大学、どこにいる「リーダー」も同じである。日本人は全体としては優れているが、大局観をもって「身を賭しても」という真のリーダーがいない。国民にとって、なんと不幸なことか。

福島第一原子力発電所事故から5年が過ぎた今、私は、改めてこの思いを強くしている。

日本人は福島第一原発事故から何を学んだのかー?続々進む原発の再稼働、遅々として進まぬ安全対策。このままでは、日本人はまた同じ災いを経験することになるかもしれない。

そんな状況に警鐘を鳴らすのが、国会事故調元委員長の黒川清氏だ。原発事故を「エリートたちによる人災」と暴いた黒川氏はいま、「揺り戻しが起きている原発政策をみていると、日本の未来に著しい危機を感じている」という。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震から9ヵ月後の12月、福島第一原発事故の根本的な原因を調査するために、国会に調査委員会が設置された。「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」、通称「国会事故調」だ。

国民の代表である国会(立法府)に、行政府から独立し、国政調査権を背景に法的調査権を付与された、民間人からなる調査委員会が設置されたのは、我が国の憲政史上初めてのことである。

私は、この委員会の委員長を務めた。冒頭に記した嘆きは、国会事故調委員長としての、また、一人の国民としての、偽らざる思いだ。

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