障害者のリアル、そして恋愛を描いた漫画『パーフェクトワールド』に号泣

本当のバリアフリーとは何か

障害を受け入れられず、引きこもる晴人。樹が投げかける言葉は──。

阿部:僕は普段建築士として色んな障害を持った方のバリアフリー住宅設計に関わる中で、バリアフリーには体のバリアだけでなく心のバリアもあると感じているんです。

有賀:体の方はハード面ですよね。心のバリアとはどういうことですか?

阿部:障害があるから出来ない、自分はここまでだと限界点を決めてしまうことです。1巻に出てきた高校生で車椅子になった晴人くんがそうですね。さらに心のバリアは当人だけでなく家族にも起こりえます。たとえば自分の子供が車椅子になってしまったら、将来のことを考えて出来る限りのことをしてあげたいと思いますよね。僕が設計を担当する時、本人よりも家族と話すのは、まず家族の心のバリアを取り払いたいと思っているからなんです。そうじゃないと家族は我慢してしまうんですよ。

有賀:障害を持っている相手を思うあまり、自分のことを後回しにしちゃうんですよね。

阿部:そうです。そして障害を持っている人間は自分の生活が家族の犠牲の上に成り立っていると後で気づく。家っていうのは家族・パートナーと住む場所です。毎日生活していく場所だからこそ、障害を腫れ物のように扱ったり、無理をしてはいけない。障害は日常の一部なんです。

有賀:日本は障害者の存在に慣れていないですよね。障害を持った方のブログで「海外ドラマにみたいに普通に障害を持った人が出てきてもいいのに」と書いてあって、その通りだと思いました。たとえば私が漫画の脇役に車椅子の人を出したら、その理由を聞かれると思うんですよ。

阿部:そうでしょうね。本当に慣れていない。だから過剰なんです。樹も僕も歩けないだけで他の人間と何ら変わりがない。もっと日常の中に落としてもらっていいんです。