3.11は都民の「防災意識」を確実に向上させた
735万部配布「東京防災」は大反響
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東日本大震災の教訓

東日本大震災から5年が経つ。復興はまだ道半ばである。3.11を、けして忘れてはならないし、多くの教訓をこれからの防災に役立てることこそが、亡くなられた方々への鎮魂となろう。

東京都は、2014年4月に「首都直下地震等対処要項」を策定し、関係各機関との効果的・効率的な連携の下で円滑に応急対策活動を展開できるように備えている。具体的には、発災後72時間に行うことが想定される主な応急の対策について万全の体制を組んでいる。

また、同年12月には、「東京の防災プラン」を策定した。これは、都民、企業、地域、行政があらかじめ備えるべき防災の取り組みを示し、2020年までの目標を提示したものである。災害が発生したときに実際に起こりうる事態を、時系列でシミュレーションしている。

都では昨年、全世帯に防災マニュアルを満載した「東京防災」を配布した(1月末までに735万部を配布)。大きな反響をよび、一冊140円で市販もすることとなった。「今やろう!」をスローガンに、学校で「東京防災」から作った教材を使って防災教育を展開したり、各地の消防署で都民向けの催しを行ったりしている。

また、「1年に1度は備蓄の確認」を合言葉に、11月19日を「備蓄の日」と定め、無理のないように「日常備蓄」を推奨している。これは、日頃利用している食料品や生活必需品を「少し多め」に備えておこうというものである。手間もかからないし、備蓄用のスペースもあまり要らない。

都が行う備蓄の品目についても、細かい配慮をするようにしている。たとえば、紙おむつや女性用の生理用品などは、毛布や食料と同様の必需品である。

私が知事に就任する前は、総合防災訓練を9月1日に行うことが主たる訓練であった。しかし、災害はいつやって来るか分からない。夏の暑い時と冬の寒い時とでは、避難のあり方も異なってくる。そこで、住民参加型の防災訓練を、春夏秋冬、年に4回行うことにした。

まずは、自助・共助が大切である。阪神淡路大震災の時も、命が助かった殆どの人は、家族や近所の人たちに助けられている。公助が到達する前に、自助・共助で自らの生命を守ることが肝要である。そのためにも、日頃からの訓練が不可欠であり、自分の住む地域の人々との連帯を強めておく必要がある。