歳川隆雄「ニュースの深層」
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浜岡原発「運転停止要請」のウラで復活した菅・仙石ライン

特命を受けた動いた細野豪志補佐官

2011年05月14日(土) 歳川 隆雄
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浜岡原子力発電所〔PHOTO〕gettyimages

 中部電力は5月9日、菅直人首相の要請を受け入れ、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転全面停止を正式決定した。水野明久社長が記者会見で「首相の要請は重い」と述べたこともあって、今回の「浜岡停止」が「菅決断」であることを強く国内外に印象づけた。

 事実、国民に好感をもって迎えられたことは、中部電の要請受け入れ発表直前に民放各社が実施した緊急世論調査でも裏付けられた。今月下旬に行われる主要メディアの世論調査でも、内閣支持率の上昇が見込まれる。民主党内の「菅降ろし」は失速、菅首相が当分間、政権を維持することは間違いない。

 では、政権浮揚につながった「浜岡停止」要請はいかなる経過で決まったのか。

 4月初めまで遡る。菅首相は4月1日午前、首相官邸で会った東京工業大学の斉藤正樹教授から「一刻も早く浜岡原発を止めるべきだ」との助言を得た。さらに同4日午後に会った有冨正憲同大原子炉工学研究所長からも同様な提言を受けた。有冨、斉藤両教授は、菅首相が震災後に自ら内閣官房参与に任命した、母校の原子力問題エキスパートである。

仙谷発言がトリッガー

 そもそも菅首相が原子炉停止要請の根拠としてあげた「浜岡原発直下で発生すると想定される東海地震は今後30年以内に87%の確率」との報告は、実は今年の1月、文部科学省の地震調査研究推進本部が発表していた。有冨、斉藤両氏による首相への提言は同研究推進本部資料に基づくものだ。

 有冨教授との会談に同席した細野豪志首相補佐官は、その場で菅首相から「浜岡原発を止めたらどうなるか、調べてほしい」と指示された。その後、静岡県選出衆院議員であり、浜岡原発に巨大防潮堤建設が持論の川勝平太知事と連携する細野首相補佐官の隠密行動が始まった。

 東京電力福島第一原子力発電所事故対応についても「特命」を受けていた細野補佐官は、3月13日に民主党代表代行兼務で官房副長官として官邸に復帰した仙谷由人氏と関係を深めていたこともあり、浜岡原発停止問題でも同氏に相談している。

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