賢者の知恵
2016年03月13日(日) 週刊現代

スペシャリストが明かす「歯のケア」新常識〜「口内フローラ」が健康に直結していた!

心筋梗塞、脳卒中にも効果あり

週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

口の中に棲む多種多様な細菌。もしこの細菌たちのバランスが崩壊したら……待ち受けているのは恐ろしい病気の数々だった! 歯のスペシャリストたちだけが知る「口内フローラ」の秘密が明らかに。

菌が口から血管へ侵入する

「腸内フローラ」という言葉を近頃よく耳にする読者も多いはず。腸内細菌叢(そう)と呼ばれる多種多様な腸内細菌の集合体を指すもので、このバランスが悪くなると人間の体に様々な影響を及ぼすと、今注目を集めている。

だが、同じように細菌がたくさんいて、腸内以上に多くの病気と関連した場所があることは、あまり知られていない。

「体の中で唯一、日常的に細菌が体内に入り込む場所、それは口の中です。口内にある無数の細菌がバランスよく保たれた環境、すなわち『口内フローラ』の維持が何よりも健康の近道なのです」

こう指摘するのは、鶴見大学歯学部探索歯学講座の花田信弘教授だ。

口の中には約1000億個の細菌が棲んでいる。そのうち、歯が生える前の新生児期や乳児期から棲みついている菌が優勢な状態にある、赤ちゃんと同じような口の中が、健全な「口内フローラ」といえる。花田教授が続ける。

「虫歯や歯周病を口腔内の問題でしかないと侮ってはいけません。腸内と違って、口の中は細菌が容易に血管へと侵入できるのです。これを『歯原性菌血症』と呼びますが、これが種々の病気の原因になるのです」

歯原性菌血症——聞き慣れない言葉だが、これこそが今、口内フローラを破壊する「元凶」として注目されている症状なのだ。

一般的に歯の悪化に起因する症状といえば、歯肉炎や骨髄炎など歯の周辺部が思い浮かぶ。ところが近年、それまで無関係と考えられてきた病気と、歯原性菌血症との因果関係が認められ始めている。

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